| 主人公ナダ(ネイダ)は、しがない肉体労働者。 |
| 世は貧富の差が激しく、失業者があふれている。 |
| 労働者が解雇されている時に、経営者の給料は上昇しているという有様である。 |
| 家が無いナダは労働者仲間のボロ家(キャンプ地)に仲間たちと一緒に泊めてもらう。 |
| そこで何気なくテレビを見はじめた。 |
| 画面には贅沢な消費生活にどっぷりつかった女性の映像が流れている。 |
| と、受信映像がふいに乱れたと思ったら、正規の放送局の映像とは思えない乱れた電波が画面に映りはじめて、その映像に現れた男がこんなことを言う。 |
| 「我々の暮らしている世界は人工的な仮眠状態にされています...8ヶ月前にあるグループがそれを偶然に発見したのです...信号が発信されているのを...貧困な人々が増えています。 |
| 人権も軽視されている。 |
| 彼らは抑圧的な社会を作り上げているのです。 |
| 我々は知らないうちに共犯者にされている。 |
| 彼らの目的は皆の意識を無くすことです。 |
| 彼らの目的は人々を欲に目をくらませ、物質主義者にしたてあげることです。 |
| しかも彼らは隠れていて、自分の姿は現しません。 |
| 彼らは自分たちが生きるために我々を眠りこけさせ、欲に狂わせている。 |
| 彼らは貧困層を骨抜きにしている。 |
| 我々は"奴隷"にされているのです。 |
| ...残念ながら我々の電波の出力は弱く、しかも奴らにこちらの電波の発信自体を監視され止められてしまいそうです...」。 |
| と、ここまで言ったところでプツリと映像が途絶えてしまった。 |
| 映像が消えると、ナダの近く座っていた男がなぜかそわそわと立ち上がり、出てゆく。 |
| ナダは不審に思い、気づかれないようにその男についてゆく。 |
| 男は近所の教会堂の中に入ってゆく。 |
| "自由教会"という名の教会で、普段から賛美歌が聞こえてきていたところだ。 |
| ナダは気づかれないようにこっそりとその教会堂に足を踏み入れる。 |
| ひとの気配は無い。 |
| 教会内部の壁を見ると「THEYLIVEANDWESLEEP(奴らは生き、我々は眠っている)」と殴り書きがしてある。 |
| しかも賛美歌が聞こえていたのは人の声ではなく、録音テープで流しているようだ。 |
| どうも不思議な教会だ。 |
| その教会堂の隣室では人々が何やら議論をしていた。 |
| 「これでも効果はあるんだ!」「ダメだ。 |
| 彼らの電波に入り込んでも、すぐに妨害されてしまう!」「じゃあ"あれ"を出荷しようじゃないか!」「それは待つべきだ!まだそれをやる段階じゃない」「他に選択肢があるか?」「あのメガネを大増産するのか?」「いや、もっと仲間を増やすことが必要だ」。 |
| ナダは壁に隠された収納スペースがあり、そこにダンボール箱がいくつも入っていることに気づく。 |
| と、ナダの前に老人が突然現れた。 |
| 「わしは盲目だが、神のおかげで本当のことは良く見えている」とナダに言う。 |
| ナダはとりあえず教会から退散した。 |
| 不思議な教会のことが気になったナダは、後日もその教会堂を外から観察しつづけた。 |
| と、ナダのいるキャンプ地に突然に武装警官の集団が襲い掛かってきた。 |
| 警官が人々を襲っている。 |
| 警官らは、盲目の老人に対しても暴行を働いている。 |
| 先日ナダが教会でバッタリ会った盲目の老人だ。 |
| ひどく抑圧的な警察だ。 |
| 翌日、ナダが教会堂に行ってみると、人が誰もいなくなっていた。 |
| 当局にやられたのだろうか。 |
| 壁に書いてあった「THEYLIVE...」の殴り書きまで、何者かによって白く塗りつぶされている。 |
| ナダは、隠し収納部屋があったことを思い出す。 |
| その中のダンボールの中には何か価値のあるものでも入っているのか?ナダはそこからダンボール箱をひとつ持ち去った。 |
| 街の横丁にたどりつき期待感とともにそのダンボール箱を開ける。 |
| ところが中には黒いサングラスがぎっしりとつまっているだけだった。 |
| せめてもと、そのうちのひとつを手にとると、残りはダンボール箱のままゴミ箱に捨てた。 |
| 何気なくそのサングラスをかけて街をブラブラと歩き始めた。 |
| すると、街の景色が何やらいつもと違って見える。 |
| パソコンの宣伝の平凡な写真の看板なのに、メガネを通して見ると、看板には「命令に従え」とだけ書いてあるのが見えるのだ。 |
| カリブ海旅行の看板は、メガネを通して見ると、「結婚して、出産せよ」との命令文が書いてあるではないか!サングラスを通して見ると、雑誌にも新聞にもテレビ放送でも「消費しろ」「考えるな」「眠っていろ」「権力に従え」などの不気味な命令文に満ち満ちているのが見える。 |
| しかも、街に溢れる人々の大半は、骸骨のような恐ろしい顔をしたエイリアンたちだった。 |
| 実はエイリアンが人間になりすましていたのだ!そして、このサングラスは、エイリアンとエイリアンの洗脳信号を見抜くことができるサングラスだったのだ。 |
| 突然、警官がナダに襲い掛かってきた。 |
| サングラスを通して見ると、その警官もエイリアンである。 |
| 実は既に地球にはエイリアンが溢れていて、政府の中枢も、テレビ局にもエイリアンが人間のふりをして入り込んでおり、人間は彼らに支配されていたのだ。 |
| 人間達はニセの現実の中に生かされていたのだ。 |
| ナダたちはエイリアンたちに対して戦い始める。 |
| 宇宙人と宇宙人の信号を見抜くサングラスを、何とかして人々に広めようとするナダだった。 |