| ゼラズニイの作品には、見かけ上普通の世界にもっともらしい魔法の体系や何気ない超自然的生命体が登場することが多い。 |
| また、神話上の人物を現代を舞台にした小説に登場させることもよくある。 |
| さらに、現代を舞台としていながら時代錯誤的要素を導入することが多く、古典的戯曲を参照することも多い。 |
| きびきびとした必要最小限の会話は、レイモンド・チャンドラーやダシール・ハメットといったハードボイルドの影響とされることもある。 |
| 古代と現代、シュルレアリスムと普通の現実との緊張関係が、彼の作品の駆動力となっている。 |
| ゼラズニイ作品には不老不死や人間の神格化といったモチーフが繰り返し登場する。 |
| 神話を借用した作品としては次のようなものがある。 |
| ギリシア神話-『我が名はコンラッド』。 |
| インド神話-『光の王』。 |
| 北欧神話-''TheMaskofLoki''。 |
| エジプト神話とギリシア神話-''CreaturesofLightandDarkness''。 |
| キリスト教説話-「伝道の書に捧げる薔薇」。 |
| ナバホ神話-『アイ・オブ・キャット』。 |
| ラヴクラフトのクトゥルフ神話-''ANightintheLonesomeOctober''。 |
| さらに《真世界アンバー》シリーズには、北欧神話、日本神話、アイルランド神話、アーサー王伝説、実際の歴史上の出来事なども出てくる。 |
| 彼の作品に影響しているさらに2つの事実として、格闘技が得意だという点と、喫煙者だという点が挙げられる。 |
| 大学時代にエペを習い、それをきっかけとして生涯に渡って様々な格闘技を習得していった。 |
| 空手、柔道、合気道(黒帯を取得)、太極拳、テコンドー、ハプキドー、形意拳、八卦掌などを習っている。 |
| 実際、彼の作品の登場人物はこれらの格闘技を使いこなして敵を倒す。 |
| ゼラズニイはまた(1980年代に禁煙するまで)タバコとパイプの愛好者で、登場人物にはヘビースモーカーがしばしば見られた。 |
| しかし心臓や血管を健康に保ち格闘技を極めるために禁煙するようになった。 |
| 本人が禁煙すると作中でも喫煙シーンが見られなくなった。 |
| また、ゼラズニイ本人は英語以外の言語に堪能ではなかったが、作中の主人公は外国語(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ラテン語など)の金言を口にすることが多かった。 |
| ゼラズニイ作品によく見られる特徴のひとつに「父親の不在」がある。 |
| 特に《真世界アンバー》シリーズによく見られる。 |
| シリーズ初期は主人公コーウィンが神のごとき父オベロンを捜し求める話であり、後期はコーウィン自身が捜される対象となる。 |
| このテーマはゼラズニイ作品に多少なりとも共通している。 |
| 例えば『ロードマークス』、『砂のなかの扉』、『魔性の子』、『外道の市』、「十二月の鍵」、《エーリアン・スピードウェイ》シリーズはいずれも主人公が父を捜しているか、あるいは単に父がいない。 |
| ゼラズニイの父は1962年、息子が作家として成功することを知ることなく突然亡くなった"...AndCallMeRoger":TheLiteraryLifeofRogerZelazny,Part5,byChristopherS.Kovacs.In:''TheCollectedStoriesofRogerZelazny,Volume5:NineBlackDoves'',NESFAPress,2009.。 |
| ゼラズニイはまた、実験的作品も書いている。 |
| 長編『砂のなかの扉』はフラッシュバックという技法を使い、各章の大半が前章とは関係ないところから始まっている。 |
| 場面を確立してからそこに至るまでの経緯を描写し、前章の最後までつなぎ、次の章では再びそれとは結びつかない場面で始まる。 |
| 『ロードマークス』は時空間のあらゆる場所に通ずる「道」というシステムについての小説であり、主人公が登場する章には全て"One"というタイトルで、二次的なキャラクターが登場する章には全て"Two"というタイトルがつけられている。 |
| 後者にはパルプ・マガジンのヒーローや歴史上の偉人なども登場する。 |
| "One"のストーリーは比較的直線的なのに対して、"Two"のストーリーは前後関係がばらばらになっている。 |
| ゼラズニイは原稿を書き上げてから非線形性を強調するために、"Two"と題した各章を無作為に混ぜたのだという"...AndCallMeRoger":TheLiteraryLifeofRogerZelazny,Part4,byChristopherS.Kovacs.In:''TheCollectedStoriesofRogerZelazny,Volume4:LastExittoBabylon'',NESFAPress,2009.。 |
| ''CreaturesofLightandDarkness''はエジプトの神々を登場させ、その台詞を全て現在時制にしている。 |
| 最終章は戯曲になっており、途中のいくつかの章は長い詩になっている。 |
| ゼラズニイはまた、執筆中の小説の登場人物に生命を吹き込むため、本編とは独立した短い断章を出版する意図もなく書くことがよくあった。 |
| そのような「断章」が短編として出版された例として"DismalLight"(1968)がある。 |
| これは長編''IsleoftheDead''の主人公FrancisSandowの背景を描いたものである。 |
| ゼラズニイの長編の特徴のひとつに「ジャンルの融合」がある。 |
| 例えば『影のジャック』と『魔性の子』は、魔法世界とテクノロジー世界の両方を描いている。 |
| 『光の王』は古典的な神話ファンタジー形式で書かれているが、冒頭部分でこれが宇宙移民の話であることが明かされる"...AndCallMeRoger"":TheLiteraryLifeofRogerZelazny,Part2,byChristopherS.Kovacs.In:''TheCollectedStoriesofRogerZelazny,Volume2:Power&Light'',NESFAPress,2009.。 |