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プロフィール
- 佐保田鶴治とは
- 人物
- 年譜
- 主な著書(没後刊も含む)
- 佐保田哲学
- その四原則
- 談話・語録
- 身体知
佐保田鶴治(さほだつるじ、1899年-1986年9月11日)は、インド哲学・宗教学専攻の学者、大阪大学名誉教授、文学博士。
人物
| 30数年に及ぶ教授生活を送ったが、若年の頃から虚弱体質で悩み続けていた。 |
| ところが、還暦を過ぎた62歳の時に、インド人の手ほどきによるヨーガに出会うことにより、健康をめきめき取り戻し、それまでの不健康な生活が一変し、周囲が驚くほどの健康体となった(典拠『ヨーガ入門』)。 |
| 古代インド哲学は、ヨーガと密接な連関の上に構築されている。 |
| 佐保田は、その学識理論面と実践面双方に通じた、歴史的にも稀有な教育者と言えるだろう。 |
| 人格形成における体動の重要さを洞察喝破し、その具体的方法論を詳細に提示したことの現代的意味は計り知れぬほど大きい。 |
| またサンスクリット語からの原典訳は、インド哲学研究には貴重な労作である。 |
年譜
| 1899年-福井県鯖江市生まれ。 |
| 1922年-京都帝国大学文学部哲学科卒業。 |
| 1943年-立命館大学文学部教授。 |
| 1950年-京都大学において文学博士取得。 |
| 1954年-大阪大学文学部教授。 |
| 1962年-大阪大学停年退官、大阪大学名誉教授。 |
| 1975年-「NHKラジオ宗教の時間」に出演(2月16日)。 |
| 1980年-平田精耕老師(天竜寺師家)との対談がNHK教育で放映される(4月13日)。 |
| 1986年9月11日-死去。 |
主な著書(没後刊も含む)
| 『印度の社会に就て』秋田屋。 |
| 『印度古代史』弘文堂。 |
| 『古代印度の研究』京都印書館。 |
| 『ウパニシアッド文学と其の哲学思想』白楊社。 |
| 『インド正統派哲学思想の始源』創文社。 |
| 『ウパニシャッド』弘文堂書房/改訂版平河出版社。 |
| 『解説ヨーガ・スートラ』恒文社/改訂版平河出版社。 |
| 『ウパニシャッドからヨーガへ』平河出版社。 |
| 『ヨーガ根本教典(正・続)』平河出版社。 |
| 『ヨーガの宗教理念』平河出版社。 |
| 『般若心経の真実』人文書院。 |
| 『八十八歳を生きるヨーガとともに』人文書院。 |
| 『ヨーガ禅道話(正・続)』人文書院。 |
| 『ヨーガのすすめ現代人のための完全健康法』ベースボール・マガジン社。 |
| 『ヨーガ入門ココロとカラダをよみがえらせる』池田書店/ベースボール・マガジン社。 |
| 『ヨーガ入門ココロとカラダを癒す』法蔵館。 |
佐保田哲学
| 佐保田は、ヨーガは心身一如の原理に立っていると言う。 |
| この「如」とは「したがう」という意味であり、一如とは「したがって一つになる」と読ませる。 |
| 体と心は元来一つであるべきものである。 |
| しかしそれが分かれるときに病気や不幸が生まれると言う。 |
| 体に依って心をコントロールし自由にし、心に依って体をコントロールし自由にし、双方でコントロールしあうのがヨーガである。 |
| 体操を実践することに依り、体が自由になると同時に、心も自由になる。 |
| 心が体を左右し、体が心を左右する。 |
| ヨーガを実践することによって、この心身一如が切実に実感できるのであり、これこそがヨーガの狙いである。 |
| この心身一如になったとき、はじめて自分の力、エネルギーがその根源から出てくる。 |
| このエネルギーの根底は、本人の生命力であり、宇宙の無尽蔵の生命力でもある。 |
| この実感が如実に出てくると、病気など全く怖くなくなる。 |
| また、自分にも知らなかった力が油然と出てくる(1975年5月4日講義)。 |
| また、煩悩がなくなると知恵がつくとも言う。 |
その四原則
| 身体をアクロバットのように奇妙な形に変形させたり、荒行をするのは、ヨーガの外道であると明言している。 |
| ヨーガのアーサナとは、一定の体位を保つことにより、経絡・チャクラを刺激し気を流すことであると見抜いた。 |
| そのためには以下の四原則が重要であると、佐保田は説く。 |
| ;1.ゆっくりやる。 |
| ゆっくり時間をかけてやるほど良い。 |
| スポーツ体操との差異はここにある。 |
| ;2.呼吸と結びつけてやる。 |
| 呼吸と関連させて行う。 |
| ;3.心と運動とが結びついてゆく。 |
| 自分が動いているその動きへ自分の全精神を込める必要がある。 |
| うわの空でやってはいけないし、音楽をかけながらは邪道と言える。 |
| 耳を傾けるべきは、自分の内側であるからだ。 |
| ;4.緊張よりも弛緩の方を大事にする。 |
| 自律神経の緊張と弛緩が双方同じ強さになって、調和してゆくと健康になれる。 |
| 弛緩すること、リラックスすることを大切にしなさい。 |
| 出典:「ヨーガ禅話其の57」『道友』pp50-55からの抜粋。 |
談話・語録
| ヨーガの体操とは、一般の体操とは全然違ったものなんです。 |
| ヨーガの体操は非常にゆっくりして、体操の中に呼吸法と瞑想が入っているわけなんです。 |
| 体操それ自身が、坐禅して瞑想するのと同じことなんです。 |
| 坐禅、瞑想が発達した形なんです。 |
| 先ず体を整えることによって、心を整える。 |
| そして最後にその心が絶対者と合一するという境地でつながって参ります。 |
| そこで、体操だけでそういう境地に入っていけるかという疑問を皆さんお持ちになるわけですが、私は体操だけでそういう境地に行けるとは申しませんが、体操によって瞑想に入る力がついてくると思います。 |
| 呼吸が整い、体が整ってくる。 |
| 心と体が整わなくては、いくら坐禅をしても悟れません。 |
| といいますのは、坐禅に一番重要なことは、リラックスすることなんです。 |
| ヨーガでも坐禅をしますが、その際背筋をまっすぐに伸ばしておきます。 |
| その一部の緊張の外は全部リラックスしておかなければなりません。 |
| 道元さんの只管打座というのも、ここに秘訣があると思うんです。 |
| 道元さんがね『何回もからだで悟るんだぞ』ということをいってらっしゃる、そのからだで悟るということの意味をですね現代的につかもうと思ったらどうなるんだということをですね。 |
| 私の考えでは、ヨーガからいいますとね、ヨーガをやっていますとね、からだ全体に、肉体感覚というものが発達する、運動しながらその運動に対して注意を集中していきますからそれでからだのあらゆる部分を肉体的に知覚することができる、でこれが出来てきますとね、そうすると始めてその全身の内部感覚というものが生きてきましてね自分のからだが内部からよく見えるようになってくる。 |
| こういうことがやはり悟りをするのに非常に大事なもんじゃないだろうかと。 |
| 頭だけ働かせていますと死んでしまうんです、からだ全体の感覚が。 |
| 私が特に強調したいのは、ヨーガは形ではないということです。 |
| 頭で立ったらヨーガだと思っている人が多いようですが、頭で立ってもヨーガと言えないものがあります。 |
| ヨーガの根本は体操の形にあるのではなく、やり方にあるのです。 |
| ヨーギーってものは、つまり一人のヨーギーが出来ると必ずその周囲が明るくなるんです。 |
| ヨーギーってものは、お釈迦さんが言っておられるように心身が非常に安定しているんですね。 |
| だから涅槃というのは、なんにもない、空漠たるもの、気絶したような状態のものかというと、そうじゃなくて、心が非常にはっきりしておいて、そして安定しておってそして、喜びが満ちている。 |
| 世俗の財産とか名誉とか権力からくる喜びじゃなくて、全然別個の喜びが溢れている状態が涅槃なんですね。 |
| ヨーガをやっていると、そんな心境がだんだんあらわれてきます。 |
| インドでこれをオーラといいます。 |
| 引用出典:『ヨーガ禅道話』人文書院p37。 |
| ハタ・ヨーガの宗教のなかで人間のこの体の微妙さ、体の神秘さ、体の偉大さ、こういうものがだんだん認識されて来たんです。 |
| この体っていうものは非常に微妙なもので、神秘なもので偉大なものだということに感づいたということは私は大変な偉い仕事だと思うんですね。 |
身体知
| 62歳でヨーガに出会うまでは、肺結核、神経痛等さまざまな病に苦しめられた半生であった。 |
| しかし、クリヤン(インド舞踊をする留学生)から、20程の体操を習い、しばらく続けたところ、「これはえらいこっちゃ」と声に出して感嘆するほど身体の変化を感じたという。 |
| それまでありとあらゆる健康法をしたが役に立たず、病に苦しめられた半生があったからこそ、その良さがダイレクトに体得されたのであろう。 |
| 教授時代の佐保田は、苦虫をかみつぶしたような表情が多かったとの学生評が残っているが、62歳以降は、弾ける様な満面の笑みを浮かべた写真が数多く残っている。 |
| 家人が「医者を呼びましょうか」と問いかけると、「その必要はない」と答え静かに息をひきとったと言う。 |
| 身体知が極度に高まった人の直観で、「学を好み道を求める模範」と評され、最期まで言行一致を保持した。 |
| ヨーガの教師をグルと称すが、グルとは魂の教師であり、弟子にとってはその人生の全てを捧げる極めて強い峻烈な関係である。 |
| 佐保田は日本のグルと紹介されることもあるが、自身は「私はグルではない」と明言している(典拠『ヨーガ禅道話』)。 |
| しかし、その哲学、教え、体操を熱心に受け継ぐものは、没後20数年を過ぎた現在でも全国に多く居て、優秀な教師として活躍している。 |
| 愛弟子には、サーンキヤ哲学で著名な山口恵照博士がいる。 |
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1975年
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ヨーガの体操とは、一般の体操とは全然違った... |
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私が特に強調したいのは、ヨーガは形ではない... |
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