| 自らが多くの著書で触れているが、川島の言説の中核(価値観)を成すのが「スピードアップ」と「(転換)クロスシート」であり、この2つを備えていない、要するに川島の価値観に合わない鉄道会社や車両には辛口の評価を下すことが多い。 |
| 関東の鉄道が置かれている実情を理解しようとせず、自らの価値観によって関東の鉄道事業者に対し軒並み辛口の批評を展開し、「東京の電車は大半が103系の亜流、『人を乗せる箱』と化しているのは私は大いに不満である」という趣旨のことを著書で述べている川島令三『私の電車史』PHP文庫。 |
| 車体幅や保安装置、デザインなどには必要に応じて相手先の意向が反映されているが、基本設計を共通化することで量産効果によるコスト削減を達成している。 |
| や装置の二重系統化による保安度の向上などに触れることなく、自身がこだわりを持っている点だけを評価基準にして鉄道会社や車両を「劣っている」「優れている」と決めつけるのは「アナリスト」の姿勢として問題があるとして非難されることも多い。 |
| また、著書の中で京王6000系を「つまらない車両」、京王7000系を「もっとつまらない」車両と評した際にはその根拠を示していない同じ部分で京王9000系を持ち上げた際には、関西風の正面スタイルを持つこと以外に根拠を提示していない。 |
| など、単純な好みの問題で会社や車両の序列付けを行うこと、要するに自らの価値観の押し付けでしかない点も問題視されている。 |
| 鉄道会社のサービス向上には「設備の拡充によって達成されるもの」と「既存の設備を最大限に有効活用することで達成されるもの」の2種類があり、川島の提言は軒並み前者である。 |
| しかし一私企業にすぎない鉄道会社にできる施策は必ずしも多くはなく、利用者目線の提言を全て実現させることは不可能である。 |
| 「線形の改良」(JR中央線快速・各駅停車に関して、四ッ谷駅手前の立体交差で快速電車が速度を落とすことに対し「地味な線形改良には目がいかない典型的な例」と批判していたが、皇居の外堀が至近に迫った軟弱地盤での線形改良には莫大な投資が必要である)といった大がかりな提言を費用対効果の試算なし(川島がそのような試算を著書の中で行うことはほぼない)に主張することには批判も多い。 |
| また、根本的な問題として鉄道会社が企業として実行できるものなのかという検討がされていない(立体交差化のように都市計画の一環として行われる事業では鉄道会社のみならず行政の姿勢も問題となるが、川島の著書ではそのような側面に触れることなく鉄道会社のみの責任に帰する論調が多い)という問題もかねてから指摘されている。 |
| また、スピードアップ(川島は自身の著作でもこの言葉を頻繁に使用している)に固執するあまり、営団地下鉄(当時)日比谷線を取り上げた際には「曲線区間での速度を見直せば全線で1分程度のスピードアップができる。 |
| この程度のスピードアップは必要である」という、ダイヤ作成や混雑、折り返し駅での時間確保などの問題を一切無視した(実際にこれらの視点は当該の部分には一切ない)提言も行っている。 |
| 2005年のJR福知山線脱線事故においてはスピードアップを過度に追求した結果安全をなおざりにしたJR西日本の姿勢が事故の一因とされたこともあり、川島がしばしば行うような秒単位、分単位のスピードアップの提言は安全との兼ね合いから大いに問題があるという指摘もなされている。 |
| 川島がスピードアップと並んで声高に主張するのがクロスシートの導入であり、これが関東地方の鉄道事業者への評価が低い要因となっている。 |
| ただ、川島は山手線のような混雑の激しい路線に対してもクロスシートの導入を主張するなど、あらゆる路線にクロスシートを導入するようかねてから主張しているが、根本的な問題としてロングシートよりもクロスシートの方が優れているとする根拠がないことが指摘されている。 |
| 双方の座席配置には一長一短がありクロスシートの方が着席定員は増える(E231系近郊形中間車の場合、ロングシートの車両よりもセミクロスシートの車両の方が着席定員は6人多い)が、一方でロングシートに比べて(特に窓際の座席で)乗降に時間がかかるというデメリットがある。 |
| 、どちらの座席形態を採用するかには各線区の状況が多分に反映される相鉄では一部形式(新7000系、8000系、9000系)の一部編成中の数両にのみクロスシートを導入しているほか、東急9000系や東京メトロ9000系、都営6300形では一部の車端部にのみ設置されている。 |
| 一般に関西の路線よりもラッシュ時の混雑率が高い関東の鉄道路線では、ラッシュ時の通勤輸送に力点を置いた車両設計が求められているが、先述のように山手線のような混雑路線への導入をも提言する様子は、通勤時間帯の実態や関東の鉄道事業者が置かれている状況を理解していない証左であるという意見もある。 |
| また、東急田園都市線において座席の奥行きを確保するためだけに閑散時のみ奥行きが伸びる機構を座席に導入するよう提言していたこともあり、費用対効果を度外視した要求をする姿勢は問題があるとみられることが多い。 |
| 先述のようにスタンションポールを「鬱陶しい」と切り捨てることはバリアフリーの観点から問題があるという指摘や、関西よりも混雑率がおしなべて高い関東の鉄道会社においてつり革は必要欠くべからざるものであり、数が多いことを美観の問題とすることは関東の鉄道会社が置かれている状況(先述のような、ラッシュ時をはじめとする通勤輸送に力点を置かざるをえないという現状)を一切考えていない証拠だという指摘もある。 |
| 『全国「ユニーク鉄道」徹底ガイド』での「阪神1000系電車は日本の標準車体である」や『東海道ライン全線・全駅・全配線』での鶴見線廃駅「総持寺駅」(正しくは「本山駅」)という記述ほか駅配線図の誤りなどもあり、裏づけ確認の取れていないものが見受けられる。 |
| また、『なぜ福知山線脱線事故は起こったのか』において、脱線原因を事故車207系電車に使用されているボルスタレス台車の構造が事故の一因であり、「台車メーカーや一部関係者から危険である旨の証言を得た」と述べている。 |
| これについて、日本国有鉄道小倉工場長などを歴任した鉄道技術者・交通研究家の久保田博(2007年1月18日死去)らによる構造理解の誤りの指摘・批判を受けている。 |
| 一方、それに対しては2008年8月に刊行された『全国鉄道なるほど事情』において、福知山線事故・最終報告書から台車の構造が事故の一因である旨の報告がないことと併せて再反論。 |
| しかし「危険であると思っている鉄道関係者は多くいる」「どこからか圧力がかかったように思えます」などと十分な裏付けのない、反証可能性のない曖昧な反論を述べるに留まっている。 |
| 更に同書の各種ATS、ATCの構造解説には誤りが多い。 |