| 2005年、ある主婦のウェブサイトの日記に、地元の小学校で行われた森の講演に参加したときのレポートが記された。 |
| この日記には、講演の中で森が自閉症について言及し、「最近、自閉症の発症率が100人に1人=1%と増えているのは、ゲーム脳のせい。 |
| 先天的な自閉症の数は変わらないので、増えた分はゲーム脳による後天的自閉症だ。 |
| 」という発言を行っていたと書かれていた |
| 医学上の通説では、自閉症は先天性の脳機能障害によるものであり、外的要因により後天的に起こる自閉症は存在しないとされている。 |
| 後天的なものだという誤解が広がると、自閉症の子を持つ親は、自責の念に駆られたり、周囲から「親が原因だ」などと言われて責められたりするなど、非常に辛い思いをすることとなる |
| 「後天的な自閉症」が存在するという誤解が広まることの悪影響などについて書かれている。 |
| そのためこの発言が事実であるならば、自閉症に対する理解不足だけでなく、倫理的な観点でも問題がある |
| この日記は、内容を問題であると受け止めた多くの個人ブログやウェブサイトなどで取り上げられ、インターネット上のコミュニティを中心に知られることとなった。 |
| さらに、これを受けて森は日本自閉症協会からの抗議を受けた。 |
| ところが、聴衆の記憶のほかに、発言があったという記録(録音された生の音声など)が長らく確認されていなかった。 |
| そのうえ、自閉症協会の抗議文に対して、森本人は自身の発言を否定しており、以降の講演でも同様に「ゲームで自閉症になるとは言っていない」と否定していたため、協会はのちに抗議を撤回し、ウェブサイトに謝罪文を掲載している |
| 個別の問い合わせに対しては、「ゲームで自閉症になるとは言っていないが、川崎医科大学(岡山県)小児科教授である片岡直樹がテレビにより自閉症類似の症状となるという研究を行っている |
| 自閉症の話を扱う際は、慎重に発言している。 |
| 」と返答していた。 |
| しかし、『ゲーム脳の恐怖』に続く自著『ITに殺される子どもたち-蔓延するゲーム脳』(2004年発刊)では「近年増えている多動児や自閉症の児童も、DNAの問題だけが原因ではないようです。 |
| たしかに先天的な原因もあるでしょうが、それだけでは説明しきれない急増ぶりなのです。 |
| 」と、''先天的ではない自閉症が存在する''とし、その原因としてテレビやIT技術などに(断定こそしないものの)結びつけている記述がある。 |
| また、2006年3月に東京都世田谷区の小学校で行われた講演で、以前の講演での「ゲームで自閉症になるとは言っていない」という発言を行った際に、聴衆から「(その発言は)テープに残っている」という声が挙がっていた |
| さらに、2007年には、ある個人のウェブサイトにて、2004年に鹿児島大学で行なわれた講演(発言したとされる内容が知られていた講演とは別の会場で行われたもの)を録音した音声ファイルが公開された |
| 後天的自閉症があるとする発言は、音声ファイル中の29分頃から32分頃までと、1時間38分から1時間40分半頃までにかけて含まれる。 |
| なお、Windows環境においてWindowsMediaPlayerでは再生が途切れることがあり、その場合はWinampやiTunesなど別のソフトで再生する必要がある。 |
| そこでは、後述のテトリスに関する発言などとともに、以下の発言を行っていたことが確認できる。 |
| だから、この頃から朝から晩までテレビを垂れ流して育てると、正常に育たず、自閉症的な子どもとして育つ。 |
| 岡山では100人に1人が自閉症であり、非常に、本当におかしい子どもが増えている。 |
| ''「昔、テレビが原因で自閉症になると言われていたが、聞かなくなった。 |
| 」と自閉症に対して誤った認識を持つ感想を述べた聴衆の男性からの、前述の発言を受けての質疑への返答。 |
| 上記のように、テレビ・ビデオの影響で自閉症の症状になると発言し、自閉症を持った子どもを「おかしい子ども」と表現している。 |
| ただし、ここではゲームの関連性については言及しておらず、「ゲームで自閉症になるとは言っていない」という発言に反しているものではない。 |
| しかし、当初広まっていた発言が医学的に問題とされ、日本自閉症協会から抗議を受けた理由は「ゲームの所為にしている」からではなく、「外的要因による後天的な自閉症が存在するとしている」からである。 |
| 発言に含まれる「自閉症的な状態」が「本来の意味での自閉症」と異なると解釈することも可能であるが、少なくとも発言において明確に区別されていないために「後天的自閉症」として受け取っている聴衆がその場に存在しており、それを見過ごしている以上、これらの発言が医学的な観点において問題があると見られうるものである事実に変わりはない。 |
| 実際の問題として、過去に朝日新聞が片岡の研究を紹介した際に、自閉症との関連の取り上げ方に問題があったとして、日本自閉症協会より抗議を受けたことがある |