| 東京都北区田端出身。 |
| 高校時に葉山町に転居福田和也『悪の恋愛術』講談社(講談社現代新書)、2001年8月、109頁。 |
| 第二次大戦下ナチス・ドイツに積極的に協力したフランスの文学者(コラボ作家)を研究テーマに選択するが、そうした異端のテーマはフランス文学でのキャリアを断念させる要因となった。 |
| 国書刊行会の編集者である佐々木秀一に要請され執筆した『奇妙な廃墟――フランスにおける反近代主義の系譜とコラボラトゥール』(1989年)で福田は出版デビューを果たすことになるが、執筆は難航しており大学院在学中の2年、大学を出て家業を手伝いながら3年、それも辞めて執筆に専念しての2年の計7年間が費やされた。 |
| 『奇妙な廃墟』は反響を呼ばなかったが江藤淳に見出され、『諸君!』に「遥かなる日本ルネサンス」を書き「大型新人デビュー」と宣伝された。 |
| その後、福田の興味は日本の文芸評論へと向かい『遥かなる日本ルネサンス』(1991)、『日本の家郷』(1993)で高く評価され、後者は第6回三島由紀夫賞(選考委員:石原慎太郎、江藤淳、筒井康隆、宮本輝、高橋源一郎)を受賞。 |
| 現在のキャリアの出発点となる。 |
| 続いて『甘美な人生』で平林たい子賞受賞。 |
| 『地ひらく』で山本七平賞、『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞受賞。 |
| 以降は『文藝春秋』『週刊新潮』『産経新聞』『週刊現代』『SPA!』『週刊文春』などの多岐にわたる雑誌や新聞で、歴史、政治、社会、音楽、人生論、実用書等、幅広い分野で旺盛な執筆活動を続けている。 |
| 媒体ごとに文体を書き分け、例えば『文藝春秋』と『SPA!』での文章が同一人物の手になることを認識するのは予備知識なしには困難である。 |
| ラジオではニッポン放送のさまざまな番組にコメンテーターとして出演。 |
| テレビは存在価値を認めないとして出演することはBSフジの『メッセージ.jp』の聞き手以外殆ど無かったが、2006年4月から毎月第三金曜日の「とくダネ!」のレギュラーとなりテレビ出演を解禁した。 |
| 執筆活動の傍らで慶應義塾大学環境情報学部で教鞭をとっているが学会活動はしていないと公言。 |
| 江藤淳の奨めでかつては比較文学の学会に所属していたが、現在はどの学会にも所属していないとされる。 |
| はじめ慶大の非常勤講師を始めた際、江藤から、批評に専念するのではなかったのかと叱責されたが、その後江藤が慶大助教授の職を斡旋してくれたと語っている(『江藤淳という人』)。 |
| 福田ゼミ出身者には、一青窈、佐藤和歌子、酒井信、大澤信亮などがいる。 |
| 2003年柳美里、坪内祐三、リリー・フランキーとの共同編集で、文芸誌『en-taxi』を創刊、のち柳が抜けるが、『SPA!』では坪内と連載対談を続けており、現在は坪内との関係が最も深い。 |
| 『en-taxi』ではしばしば立川談志へのインタビューを行っており、落語にも造詣が深い。 |
| 保守論客としての看板を掲げる福田であるが、保守の姿勢はパフォーマンスだという誤解された見方をされることがある。 |
| 学生時代にフランス文学研究の主流への激しい反発から「誰もテーマに選ぼうとしなかった」ファシズム作家を研究対象に選んだ。 |
| デビュー後もしばらくは「ファシストのパンク右翼」を自称し、『日本クーデター計画』を出版するなどして世の良識を逆撫でするような発言を繰り返したことから、「既存体制の擁護」という狭い意味での保守からは外れている。 |
| また、ファシズムの思想史的意義を強調する一方で「失敗したファシズムが丁度良い」(『戦争と国家』)などと発言する。 |
| つくる会教科書や、いわゆる「日の丸法案」成立時には批判する側に回るなど、保守論客の中でも特殊な立場にある。 |
| そもそも、文芸批評活動の出発点となった『日本の家郷』にしても、ポストモダニズムの影響が指摘されている。 |
| 左翼思想の変種とも揶揄されるポストモダニズムを、ハイデッガーを介してファシズムに繋げたところが福田のオリジナリティではあるが、一時期「友人」を名乗っていた護憲派の大塚英志からは「実は左翼」などと評された。 |
| その攻撃的なスタイルは物議を醸す。 |
| 特に2000年に出版された『作家の値うち』では、純文学と大衆文学の現役作家を五十人ずつ、全百人の主要作品を百点満点で採点。 |
| 多くの有名作家作品を「読んでいると恥ずかしい」レベルなどと評して浅田彰や安原顕からは厳しく批判された。 |
| また師匠の江藤が評価しなかった古井由吉や村上春樹を評価し、江藤が絶賛した中上健次の『千年の愉楽』を「いんちきポルノ」と評するなど、江藤とは文学の評価にかなりのズレがある。 |
| 柳美里『ゴールドラッシュ』、島田雅彦「無限カノン三部作」を厳しく批判し、二人の反撥を招いたが、対談で手打ちをしている。 |
| 中川八洋は『福田和也と≪魔の思想≫』(2005)で、福田は保守のふりをしたポストモダニストで、内部から日本の伝統を破壊しようとしていると激しく指弾している。 |
| またジョン・ラーベ『南京の真実』の内容を信じたことから小林よしのりと対立して、西部邁が和解させようとしたが失敗して現在に至る。 |
| 三島由紀夫賞選考委員を務め、現在は新潮新人賞選考委員。 |
| 妻は慶應義塾大学文学部の同級生で、妻の父は大岡山在住の医師(医学部教員)でカトリック信者福田和也『悪の恋愛術』講談社(講談社現代新書)、2001年8月、110頁。 |