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プロフィール
辻作品はこれで16冊目になるが、今までの小説のテーマとは随分違っており、「エッほんとに辻作品?」と何度か奥付けの作者名を見直した。間違いなく辻仁成氏が『婦人公論』に1年間連載したものを大幅加筆・訂正した本とあった。 何が違うかというと、①主人公が売れない小説家であること。②家族そのものをテーマにしていること。③ユーモアタッチであること。 ④各節の前に解説文があること等である。 内容的には、核家族に育った主人公 平大造が劇団俳優の栗原夏音(かのん)と結婚するが、栗原家は五人姉妹の大家族。四代が同居し、他の姉妹もすぐそばに住んでいて、ことある毎にみんなが集まって来る。しかも一人息子でありながら、栗原姓のために婿養子となることを強制されてしまう。この大家族を巡ってのトラブルと孤独をテーマにしていた小説家の不本意な生き様が妙に面白い。 大家族なるが故に世相の縮図として、いろいろな ... もっと見る
辻作品はこれで16冊目になるが、今までの小説のテーマとは随分違っており、「エッほんとに辻作品?」と何度か奥付けの作者名を見直した。間違いなく辻仁成氏が『婦人公論』に1年間連載したものを大幅加筆・訂正した本とあった。 何が違うかというと、①主人公が売れない小説家であること。②家族そのものをテーマにしていること。③ユーモアタッチであること。 ④各節の前に解説文があること等である。 内容的には、核家族に育った主人公 平大造が劇団俳優の栗原夏音(かのん)と結婚するが、栗原家は五人姉妹の大家族。四代が同居し、他の姉妹もすぐそばに住んでいて、ことある毎にみんなが集まって来る。しかも一人息子でありながら、栗原姓のために婿養子となることを強制されてしまう。この大家族を巡ってのトラブルと孤独をテーマにしていた小説家の不本意な生き様が妙に面白い。 大家族なるが故に世相の縮図として、いろいろな問題が生じる。学歴社会からはみ出した力矢を巡る父親の対応、三女小夏の父親問題(人工授精)、性転換者の出現、お産の在り方と緊急時の対応等々。なぜか次女と四女の家族はあまり出てこない。その他大勢ではなく、もうちょっと出して欲しい感じがした。 さて、もう一つは大造の友人、出版社の編集員戸田不惑と装丁の相沢健五とのやりとりも面白い。また、新道助産婦の存在も家長である栗原道子との関係で意外性があって良かった。 小説家が従来の延長線ではない作品を書くというのは、どのような心境の変化によるものなのだろうか。興味深い点だ。主人公の小説家大造は、①生まれてきた子供のためのケース、②編集者にハッパを掛けられた場合、③家族と喧嘩してヤケッパチになった場合、のようだが、辻氏どうなんだろう。 戻る
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