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プロフィール
- 青木淳一とは
- 概要
- 略歴
- 受賞歴
- ササラダニの分類研究
- 土壌動物学全般
- 逸話
- 土壌動物
- 一般書
- 脚注
- 参考文献
青木淳一(あおきじゅんいち、1935年6月-)は、日本の動物学者。土壌動物学者。ササラダニ類の分類学および生態学を専門とし、この類の分類学において日本の水準を高いものにした。
概要
| 青木淳一はササラダニ類の分類学を手掛け、日本におけるこの分野をほとんど一人で開拓してしまった。 |
| 非常に精力的であり、日本におけるダニ類の研究発表先である日本蜘蛛学会の雑誌には、ほぼ毎号彼による新種記載の論文が出る、という時期があった。 |
| 大学生までは昆虫が好きで、昆虫学研究室に入ったものの、この時期にササラダニ類に関心を持ち、卒業論文はその一群の分類研究を行った。 |
| これ以降、日本国内を中心にササラダニ類の分類研究を行い、多くの新種を記載した。 |
| 多くの弟子を育て、日本中、あるいは国外のそれぞれの地域でササラダニ研究を続けている者が少なくない。 |
| また、土壌動物一般に関しても土壌動物学会の設立にも携わり、多くの著書を出し、日本におけるこの分野の研究を推進した。 |
| ササラダニ類やその他土壌動物の生態にも注目し、それらを生物指標とする方法も検討した。 |
| 一般に向けての啓蒙活動も積極的で、ダニ類に関する多くの著書がある。 |
略歴
| 1935年6月:京都市に生まれる。 |
| 1958年3月:東京大学農学部農学科卒。 |
| 卒論のテーマは「日本産オニダニ科の分類」であった。 |
| 1963年3月:東京大学大学院生物系研究科博士課程修了。 |
| 1964年4月:ハワイ・ビショップ博物館昆虫研究部研究員に。 |
| 1965年2月:国立科学博物館研究部研究官。 |
| 1975年4月:横浜国立大学助教授(同大学環境科学研究センター)。 |
| 1977年4月:同大教授(同大学環境科学研究センター)。 |
| 1990年5月:日本土壌動物学会会長。 |
| 1992年1月:日本ダニ学会会長。 |
| 1994年1月:日本動物分類学会会長。 |
| 1994年4月:同大学環境科学研究センター所長に就任(-1996年3月まで。 |
| 2000年4月:神奈川県立生命の星・地球博物館長に併任。 |
| 2000年5月:日本土壌動物学会会長。 |
| 2001年3月:同大学定年退官、名誉教授。 |
受賞歴
| 1968年:日本動物学会論文賞。 |
| 1989年:日本土壌動物学会賞。 |
| 1998年:日本動物学会賞。 |
| 1999年:中山賞大賞。 |
| 2001年:南方熊楠賞。 |
ササラダニの分類研究
| 彼は、日本におけるササラダニ分類研究の草分けであり、同時にそのレベルを世界のトップレベルにのし上げた。 |
| 彼は、大学までは昆虫学を中心に活動し、山崎輝男率いる害虫学研究室を選んだ。 |
| が、ここで佐々学の『疾病と動物』に出会い、この本のダニの項の最後に「甲虫のような美しい姿」「ほとんど研究されていない」という下りに感動したという。 |
| そのため同研究室に所属しながらササラダニ研究に着手した。 |
| その後ハワイからアジア一帯にも手を広げつつ、一貫してササラダニの分類研究を続けた。 |
| 彼以前には、日本のササラダニとして知られていたのは岸田久吉の記録した7種のみであったが、2000年代では660種が知られるようになった。 |
| その約半数、320種は彼が発見、新種記載したものである。 |
| 国外でも98種の新種を記載した。 |
| 生態面でも、ニューギニアでのゾウムシの背に生える地衣類の上に生息する種の発見や、インドネシアでのアリの家畜として養われる種の発見などでも知られる。 |
| また、自然環境、植生との関連についても研究し、ササラダニの種組成を生物指標とすることを考案した。 |
| 後に、土壌動物一般についても同様のことを試みている。 |
| その成果は、学校教育の場面や各地自治体の調査などに活用されている。 |
土壌動物学全般
| 『土壌動物学』を出版。 |
| この本は土壌動物のあらゆる分類群についてその分類などを概説し、さらに土壌動物に関する生物学的な問題をさまざまな観点から取り上げたもので、これ一冊あれば土壌動物の研究に入れる、と思わせるような本である。 |
| その後、この分野の進展からより詳しい図鑑が企画された際も、彼は編著者となっている。 |
逸話
| 小学校の頃、趣味として模型機関車作り・切手集め・昆虫採集の三つに熱中した。 |
| しかし、三つを満足させるには小遣いが不足し、五年生の時に六角形の鉛筆の側面に「モ」「キ」「コ」と彫って一〇回転がしたところ、「コ」が一番多く出た。 |
| それ以降は昆虫採集に集中するようになった青木1968、p.131・研究会2011、p.140。 |
| なお、小学校のクラス雑誌で『将来の夢』には「農林技官」と書いた。 |
| 後の同窓会で、「曲がりなりにも達成したのは俺だけ」と自慢した由青木1968、p.132。 |
| 卒論の時の研究室は、殺虫剤の作用機構の研究が中心であった中、指導教官の山崎は困惑しつつも彼のわがままを許した。 |
| それに謝意を示すため、彼はその際に発見した新種を師の名にちなんでヤマサキオニダニとしたところ、ひどく不興を買ったという青木1968、p.134。 |
| 三五歳の頃、テレビ番組の「ほんものは私です」(偽物二人と本物が登場、芸能人回答者がそれぞれに質問、それに対する答えから本物を当てるという趣向の番組)に「ダニ博士」として出た。 |
| その時の回答者は野際陽子、柴田連三郎、川口浩、ともう一人(不明)であった。 |
| 最初に川口が「世界のダニは何種類?」に対して「五〇〇種」「八〇〇種」と答える偽物、本物は悩んで答えられず、といった経過から、野際陽子しか本物を見抜けなかった青木(1996)、p.183。 |
| 彼の手法はまず土壌サンプルを採集、これをツルグレン装置にかけてダニ類を抽出する、というものである。 |
| そのため、野外での採集そのものは土をひとかけら取るだけでことが済む。 |
| そのため、たとえば、遠くに出かける知人に、『土を一かけ』を土産に頼むという。 |
| 常陸宮殿下が学習院幼稚園から東大までの学友だそうで、旅先からしばしば土を土産にくれたとのこと。 |
| その際、飛行機内で配布されるゲロ袋はきわめて便利という。 |
| 宮中歌会でこれに触れた歌を披露したこともあったという青木(1968)、p.172。 |
| 旅先でもこの手法で手早くダニの採集が行える。 |
| 南方熊楠賞授賞式の記念講演では会場となった和歌山県田辺市にあるガーデンホテルハナヨの庭や植え込みで採集したダニのことを話題にしている顕彰会(2011)、p.148。 |
土壌動物
| 『土壌動物学』、(1973、新訂版2010)、北隆館。 |
| 『日本産土壌動物検索図説』(編著)、(1991)、東海大学出版会。 |
| 『日本産土壌動物―分類のための図解検索』(編著)、(1999)、東海大学出版会。 |
| 『都市化とダニ』、(2000)、東海大学出版会。 |
| 『だれでもできるやさしい土壌動物のしらべかた』、(2005)、合同出版。 |
| 『南西諸島のササラダニ類』、(2009)、東海大学出版会。 |
一般書
| 『ダニの話 よみもの動物記』、(1968)、北隆館。 |
| 『大地のダニ』、(1976)、共立出版。 |
| 『自然の診断役 土ダニ』、(1983)、日本放送出版協会。 |
| 『きみのそばにダニがいる 日本列島ダニ探し』、(1989)、ポプラ社。 |
| 『ダニにまつわる話』、(1996)、筑摩書房。 |
| 『自然の中の宝探し』、(2006)、有隣堂。 |
| 『ホソカタムシの誘惑』、(2009)、東海大学出版会。 |
| 『むし学』、(2011)、東海大学出版会。 |
脚注
| この項の記述は基本的には南方熊楠研究会(2011)、p/138-139(選考理由・略歴など)による。 |
参考文献
| 『あゆみ 南方熊楠賞の20年と検証行事とその足跡』、(2011)、南方熊楠顕彰会 。 |
| 青木淳一、『ダニの話 よみもの動物記』、(1968)、北隆館。 |
| 青木淳一、『ダニにまつわる話』、(1996)、筑摩書房。 |
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1935年
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