| 当時の戦隊制作現場について東映の白倉伸一郎は「『地球戦隊ファイブマン』から『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のころまでは戦隊シリーズは毎年打ち切り覚悟で制作されていた」と近年証言していたり、鈴木武幸プロデューサーが雨宮慶太に監督をオファーしたとき「戦隊シリーズはこれ(『ジェットマン』)が最後になるかもしれない」と漏らすなど、『高速戦隊ターボレンジャー』のころから徐々に続く視聴率低下が戦隊シリーズ打ち切りの危機を招きつつあった。 |
| ただし『ファイブマン』後半では高年齢層向けの様々な策で視聴率が前半より向上したことを踏まえて、設定や世界観の構築においても革新的な要素をより多く取り込み、戦隊シリーズの新しい可能性を模索した作品が制作されることになった。 |
| 「あらすじ」にもあるように、人間の身体能力を強化する"バードニックウェーブ"を浴びた者がジェットマンに変身することができるという設定である。 |
| 当初から正規メンバーなのはレッドホークの天堂竜のみで、他の4人はバイラム襲撃による事故で偶然バードニックウェーブを浴びた民間人であり、最初の3話分はまず竜以外の4人を捜すところから始まる。 |
| そのため、本作は戦隊シリーズとしては初めて「第1話に変身後のメンバーが全員登場しない」作品となっている。 |
| スーツカラーはレッド、ブラック、イエロー、ホワイト、ブルー。 |
| 当初から5人編成の戦隊としては初のピンクがいない戦隊と言える。 |
| ただしホワイトスワンのスーツは、他の4人のスーツの白い部分にピンクが使われている。 |
| また、前2作に登場した要塞型ロボに代わる新要素として「サポートロボ」が新たに導入されたのも本作からである。 |
| 同時に、既存のロボの武装として運用されるロボとしてもシリーズ初で、後の戦隊ロボのあり方に大きな影響を与えている。 |
| 作品を語るうえで欠かせないものとしては、「変身後も本名で呼び合う行為」を全編を通して行ったことが挙げられる。 |
| 『ファイブマン』後半から取り入れられてはいたただし、『光戦隊マスクマン』の第1話にて生死不明で遅れて駆けつけたレッドを他のメンバーが無事を知った喜びから変身前の本名で呼ぶなど、シーズンを通してでなく、その回のストーリーの流れで自然にコードネームでなく本名で呼んだケースなら、過去にも存在した。 |
| が、あくまで彼ら5人が「兄妹」だったためと推測される。 |
| 当作品も脚本段階では以前のように「変身後はコードネームで呼び合う」予定だった。 |
| しかし、田中弘太郎や若松俊秀をはじめとする出演者達が「これでは不自然」と変更させたというただし、バイラム側は変身前でも原則としてコードネームで呼ぶ。 |
| これはシリーズそのものにも大きな影響を与え、変身後も本名で呼ぶ作品がこれ以後シリーズの主流へと変わっていった。 |
| ただ先に挙げたような複雑な人間模様を戦闘シーンでは必ずしも再現できたとは言いがたく、後続の作品ではこの反省を元にした演出が模索されていく。 |
| ドラマ性を重視したため、メインライターの井上が周囲に根回ししたうえで「全員が一度も変身せずに終わるシナリオ」を書いたが、スポンサーの反対により結局不採用になり、戦闘シーンを急遽付け加えた回(第22話)もある。 |
| 「全員が一度も変身せずに終わる話」はその後、『五星戦隊ダイレンジャー』などで実現している。 |
| ただし、これらの作品では「自分の意思で変身しない」のではなく「変身したくてもできない」状況のうえで成立しているものとなっている。 |
| また、敵との戦闘シーンを急遽付け加えた回は『獣拳戦隊ゲキレンジャー』にも存在する。 |
| ;「戦うトレンディドラマ」。 |
| 本作品では、これまで戦隊シリーズの中でほとんど排除されていた「男女混合チームの中での恋愛模様」を物語の中心に位置づけて描いたことが大きな特徴である。 |
| 鈴木武幸によると、これはかつて彼が手がけた『闘将ダイモス』での経験を生かして、恋愛で高年齢層を取り込む狙いだったようであるコン・バトラーVボルテスVダイモスダルタニアス大全。 |
| 恋愛要素は『光戦隊マスクマン』でも描かれたが主人公に焦点が集まりすぎてしまったと指摘もあり、本作は『マスクマン』の反省を元にしながら、恋愛要素を更に推し進めて打ち出したとも言える。 |
| 具体的にはホワイトスワン・鹿鳴館香に対し、ブラックコンドル・結城凱とイエローオウル・大石雷太が恋愛感情を抱く→しかし、香はレッドホーク・天堂竜に好感情→だが、竜は洗脳されて敵組織「次元戦団バイラム」の幹部マリアとなったかつての同僚にして恋人・藍リエが忘れられない、という四角関係がストーリーの重要な部分を占めていた。 |
| これによってそれまでの戦隊に見られなかったメンバー間の愛憎劇と、チーム崩壊寸前の危機が度々描かれるようになった。 |
| その一方で恋愛絡み以外の回では、従来通りの戦隊シリーズを彷彿とさせるコメディものが大半を占めていた。 |
| 過去の戦隊全部の特徴をED歌詞に織り込んだ『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年放映)での本作のキーワードは「トレンディ」となっている。 |
| また、本作の28話の冒頭と終盤でそのようなシーンが見られる。 |
| ;敵組織の内部抗争。 |
| 敵役であるバイラムにおいても、それまでのシリーズとは違い、圧倒的な力を持つボスが存在せず四幹部が個々に競合しながら組織内での支配権の優越を得ようと画策する組織となっており、本来ならばそれにあたるはずの女帝ジューザは、中盤で登場して僅か2話で倒される形となっている。 |
| また中盤より、自ら支配者と名乗ったトランザに対しても、他の幹部達は表面上では従う様に見せかけ、本心は敵対していて、あくまで互いが対等の立場と云った展開が採られている。 |
| 組織内での対立はこれまでの作品でも何度か見られたものだが、本作では年間を通して幹部達の対立構造を引っ張っており、結果的にジューザとトランザとの決戦に際し「ヒーローと悪役の協力攻撃」という、これまでのシリーズではあまり見られなかった展開を生むこととなる。 |
| ドラマ性を重視した演出が目立つ作品であるが、工事中のビル内を飛行するジェットホークや模型と着ぐるみを一瞬で入れ替えるジェットイカロスの合体シーンなど斬新な特撮も多く、特に従来の戦隊よりも巨大ロボットの活躍に比重が置かれたことで玩具の売り上げも高い結果を残し、後続作品に登場する守護獣や気伝獣などの演出に大きな影響を与えている。 |
| また、必ずしも毎回全員が変身するわけではなく、戦闘時に何人かが欠けていることが度々あったのも特徴である。 |
| 例えば、ブラックコンドルとブルースワローが第1話ではバードニックウェーブを浴びるシーンがあるのみで登場すらしなかったのをはじめ、第27話、第49話など、戦闘力で劣るホワイトスワンが後方支援に回る回も多かった。 |
| これについては戦隊シリーズで常に中心的存在のレッドホークも例外ではなく(第49話では1度も変身していない)、最終的に全話で変身したのはイエローオウルのみとなっている第47話では雷太自身は登場せず、変身後のイエローオウルのままの登場だった。 |
| メカニックも最初の巨大メカのイカロスハーケンが登場するのは第5話であり、ロボットのジェットイカロスは第6話からの登場になる。 |
| 毎回のように巨大ロボ戦にならないというのも特徴の一つと言える。 |
| 本作では決め技ではないもので倒される傾向が多い。 |
| ロボット戦で大ダメージを受けるとジェットマン達の変身が解ける事が多々ある。 |
| シリーズ初となる女性司令官の登場や、現行戦隊に取って代わろうとする新組織が身内から現れるといった展開、正邪のレギュラーのドラマが前面に出たこと、前後篇など連続したストーリーが多数見られたことなどから、一般怪人が30体程しかいないという点も特筆すべき点に挙げられる。 |
| 怪人が少ないという傾向は翌々年まで続いた。 |
| 最終回は、戦いのシーンはAパートのみで、Bパート部分では戦いが終わって3年後の元ジェットマン達を描いている。 |