| 1975年、『ウルトラマンレオ』放送終了をもってウルトラシリーズは一時中断していた。 |
| だが、1979年、シリーズ初のアニメーション作品となる『ザ☆ウルトラマン』で再開され、その成功を受けて本作が製作された。 |
| 実写作品としては5年ぶりで、80という名は「1980年代の新たなウルトラマン」を由来とする。 |
| 「新しいウルトラマン」としての新機軸として、主人公が中学校の教師となり学校が日常の舞台とされた。 |
| 企画書では、児童の殺人や自殺といった暗い世相に言及し、「“生命の尊さ”、“愛の美しさ”、“勇気の誇らしさ”を啓蒙し、“ウルトラ文化”と呼ばれる子供文化を作り上げていきたい」とし、その手段として「ウルトラマン=先生というドラマ設定とした」と記されている。 |
| こうして、当時の子供たちを取り巻く不穏な世相を象徴する形で、「地球人の憎しみ、悲しみなどの邪悪な心マイナスエネルギー放送開始直後の児童誌には「怪獣は人間のマイナスエネルギーを吸収し、以前の怪獣よりも能力が4倍パワーアップしている」との記述が見られた。 |
| が怪獣を生み出す」という設定を導入し、ウルトラマン80は怪獣と直接戦うだけではなく、「怪獣を生み出す人間の邪悪な心を正すため、教師として子供たちの教育に取り組む」というドラマ作りが行なわれた。 |
| 主人公が学校教師である点は、当時流行した同じTBSのテレビドラマ『3年B組金八先生』や日本テレビ系の『熱中時代』などと共通しているが、このコンセプトは『ウルトラマンレオ』終了時にすでに存在した辰巳出版の『君はウルトラマン80を愛しているか』における、田口成光へのインタビューより。 |
| 湯浅監督は、賛否両論のあるこの「主人公を単に防衛チームの隊員ではなく、教師にした」という設定は、安易に当時の「先生物」のブームに便乗したわけではなく、先ほどの橋本洋二プロデューサーの「なぜいま、ウルトラマンを作らなければならないか」という問いかけに応じたものであり、「万能」のウルトラマンに「先生」という肩書を加え、「昼間、授業中に怪獣が出たらどうするのか」といった葛藤から生まれるドラマに主眼を置いたものだったとしている。 |
| 本作の企画は、円谷プロの赤坂の寮で週に一回会議が行われ、そして進められた。 |
| テーマは「いま、ウルトラマンを復活させる意義は何か」というもので、TBS編成局側からは「従来のスタイルにしてほしい」との要望が出された。 |
| これに対し、同じくTBSの橋本洋二プロデューサーは、「80年代のウルトラマンが以前のものと同じでいいはずがない」と主張し、「教師設定」が導入された。 |
| 橋本プロデューサーによって、湯浅監督や平野靖司、土筆勉ら円谷プロ系でない外部の新しい監督、脚本家が集められ、「新しいウルトラマンをどうするか」との論議は放映開始後も熱く戦わされた。 |
| 本編監督には、大映で昭和期の「ガメラシリーズ」全作を担当し、大映倒産後は『刑事犬カール』(東京映画、1977年)などのTBS系のテレビドラマを多く手がけた湯浅憲明がメインに迎えられた。 |
| 湯浅は本作に携わる前に、大場久美子主演版のテレビドラマ『第二期コメットさん』(制作した国際放映は円谷プロと提携関係にあった)で、ウルトラマンタロウやウルトラマンレオがゲスト出演するエピソードを局と組んで監督している(視聴率は30%を超えた)。 |
| ほかには松竹出身の広瀬襄、大映テレビの作品を数多く手がけている合月勇が演出陣に加わっている。 |
| 学園ドラマの設定を導入したことは、生徒が学園生活で出会う問題と怪獣の発生を絡めた佳作をいくつか生み出した。 |
| しかし、放映時間30分ではいじめや不登校、異性交遊などの当時の教育問題と怪獣を並立して描くことに限度があり、また、実在の学校施設を借りてのロケ撮影の日程(おもに日曜日に撮影された)を組むのが制作スケジュール上の制限となっていった。 |
| こうした中で、「学園物」設定を主張した橋本プロデューサーが放映途中でラジオ部に異動。 |
| これを受け、TBS編成局は「やはり昔のスタイルでいこう」と円谷プロ側に伝えてきた。 |
| こうして、第13話以降は「学園物」の設定とともに、矢的猛の「学校教師」としての設定は切り捨てられ、UGMを舞台として隊員たちの活動を描く従来の「ウルトラマンシリーズ」のドラマに路線変更された(ただし、第11話でも学校が登場しないドラマになっている)。 |
| 設定上、第13話以降も矢的猛は教師を続けていたのかどうかは劇中では語られておらず『ウルトラマンメビウス』第41話「思い出の先生」において80が客演した際、「次々と出現する怪獣に立ち向かうため、教師であることを捨てねばならなかった」と自ら語っている。 |
| 、湯浅監督は本作を振り返り、「ウルトラマンの力に対する制限は、結局、円谷プロ側が許さなかった」、「中途半端になって、後悔の多い作品になった」と語っている。 |
| 設定変更後は、初期ウルトラシリーズを彷彿とさせるシリアスなSFドラマが志向されたが、第31話でふたたび路線変更され、「毎回子どものゲストが登場して怪獣と絡む」というコミカルでファンタジックな作劇に変わっている。 |
| 同時に番組の構成が、番組タイトルからアバンタイトルを挟んでオープニングへと移る形式『ウルトラQ』をはじめ、ほかのウルトラ作品でもしばしば使用された形式。 |
| に変化している。 |
| また、第43話からウルトラシリーズ初の女性戦士ウルトラシリーズ初の女性ウルトラマンであるウルトラの母は、女性戦士として描かれていない。 |
| のユリアンが登場し、80とユリアンの2人を中心に据えた作劇がなされた。 |
| ただし、ユリアンの姿としては第49・50話のみ。 |
| このようにストーリー全体が4つのパートに分けて考えられることから、第1話-第12話を「学園編」、第13話-第30話を「UGM編」、第31話-第42話を「少年ドラマ編」、第43話-第50話を「ユリアン編」などと呼称する文献もある。 |
| ただしこの呼称は公式のものではなく、例えば第43話以降でも少年ドラマ編に類似したストーリーの回が散見され、作劇イメージは一貫していない。 |
| 当初、80は「苦しい戦いと人間たちとのふれあいを経て、ウルトラ兄弟の仲間入りを果たす」と設定されており、番組宣伝ポスターにもゾフィーからレオまでのウルトラ兄弟が掲載されておりこの「ウルトラ兄弟を目指して成長するルーキー戦士」のコンセプトは2006年の『ウルトラマンメビウス』に継承されている。 |
| 、過去の作品との繋がりが明示されたが、後半の妄想ウルトラセブンとウルトラの父ウルトラマンは過去の映像の流用で登場。 |
| を除き、歴代ウルトラマンの客演はなかった。 |
| 本作の終了後、1996年に『ウルトラマンティガ』(毎日放送)が製作されるまで、国内TV番組としての「ウルトラシリーズ」は休止期間が16年に及んだ。 |