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プロフィール
- コアラとは
- 分布
- 分類
- 亜種
- 名前
- 形態
- 生態
- 繁殖
- 人間との関係
- 保全状態の評価
- コアラの飼育施設
- キャラクターとしての利用
コアラ(Phascolarctoscinereus)は、有袋類 カンガルー目コアラ科コアラ属で現存する唯一の種。オーストラリア東部の森林地帯やユーカリの林などに生息している。体色は背面が灰色で、腹面が白色、体長は約65cm-82cm、体重は約4kg-15kgである。北部に生息するコアラよりも、南部に生息するコアラの方が体が大きく、体毛の長さも長い。タンニンや油分を多く含むユーカリの葉を好んで食べる。
分布
| オーストラリアのクイーンズランド州ヨーク岬半島南部より、ニューサウスウェールズ州東部、ビクトリア州、南オーストラリア州南東部に分布する。 |
| 西オーストラリア州、タスマニア州には分布していない。 |
| 分布域内では熱帯雨林、温帯のユーカリ林、疎林などに生息する。 |
| 特に川沿いや海岸地帯に近い、肥沃な場所でユーカリ類に含まれるタンニンや油分が少ない場所を好むEgerton,L.ed.2005.EncyclopediaofAustralianwildlife.Reader'sDigestISBN9780864491183。 |
| 通常は単独性で、群れを作らない。 |
| ヨーロッパ人到来によって分布域を急激に減少させ、1930年代までには、ヨーロッパ人入植前の50%にまでに分布域は減少した。 |
| 南オーストラリア州の個体群の一部には、州内外の個体群を再導入された個体群も含まれる。 |
分類
| コアラはコアラ科コアラ属で現生する唯一の種である。 |
| 化石種では他に同じ科の属、同じ属の種があり、西オーストラリア州南西部やオーストラリア中央部や北部において化石が発見されているStephenJackson,"Koala:OriginsofanIcon",Allen&Unwin,2008,ISBN1741750318,p9-11。 |
| コアラの最初の目撃記録は、1798年1月26日にジョン・ハンターの使用人であったジョン・プライスがシドニーの西部の高地を探検している時であり、“先住民がCullawineと呼ぶ、アメリカのナマケモノのような生き物がいた”と記録しているSimonHUNTER,KOALAHANDBOOK,CHATTO&WINDUS,ISBN0-7011-3213-2。 |
| その後、1802年に、探検家のフランシス・バラリアーが、先住民が“colo”と呼ぶサルのような生き物がいることを記録している。 |
| 1816年にフランスの動物学者であるブランヴィルが、コアラの属名そして''Phascolarctos''を与えた。 |
| これはギリシア語の''phaskolos''および''arktos''からきており、それぞれ“河の袋”、“熊”という意味である。 |
| また1817年にドイツ人の動物学者が、種小名としてコアラに''cinereus''という名を与えた。 |
| この言葉はラテン語から来ており、“灰色の”という意味である。 |
| 19世紀に、一時、同じ有袋類のウォンバットに近縁であるとされたが、1921年まではコアラは完全な樹上性であり、一方のウォンバットは地面に穴を掘る半地中性の生活を送ることから、議論の的となっていた。 |
| 現在は同じウォンバット亜目(Vombatiformes)に分類されている。 |
亜種
| 近年まで次の3亜種に分けられていたが、1999年のホールデンなどの分析により、遺伝子レベルでの違いは亜種に分けるほどに大きくはないことが確認された。 |
| ''Phascolarctoscinereuscinereus''(Goldfuss,1817):ニューサウスウェールズコアラ:ニューサウスウェールズ州に分布する亜種。 |
| ''Phascolarctoscinereusvictor''Troughton1935:ビクトリアコアラ:ビクトリア州に分布する亜種。 |
| ''Phascolarctoscinereusadustus''Thomas1923:クイーンズランドコアラ:クイーンズランド州に分布する亜種。 |
| それぞれの名に含まれている州名がおよその分布域を示している。 |
| これら3亜種に分けない場合、ニューサウスウェールズ州北部以北に生息する個体群、ニューサウスウェールズ州中部以南からビクトリア州にかけて生息する個体群に分けられる場合もあるCathJonesandSteveParish,FieldGuidetoAustralianMammals,P64-69,SteveParishPublishing,ISBN174021743-8。 |
| 体の大きさ、体毛の長さとも、寒冷域に行くほど大きく長くなる傾向があり、クイーンズランド州に生息するコアラが最も小さく体毛も短く、ビクトリア州に生息するコアラが最も大きく体毛も長く、ニューサウスウェールズ州に生息するコアラは大きさも体毛の長さも両者の中間程度である。 |
| ファイル:Koala_climbing_tree.jpg|ビクトリア州に生息するコアラ。 |
| ファイル:Australia_Cairns_Koala.jpg|クイーンズランド州に生息するコアラ。 |
名前
| “koala”の名前はDharuk言語族の''gula''から来ている。 |
| 元来、母音の。 |
| この言葉は、"doesn'tdrink"(水を飲まない)を意味すると誤って言われている。 |
| コアラはクマの1種ではないが、18世紀後半にやってきた英語を話すヨーロッパ人入植者により、クマに似ていることから''koalabear''(コアラグマ)と呼ばれた。 |
| 分類学的には不適切であるが、''koalabear''の名前は現在でもオーストラリア以外で使われている。 |
| 他の英語表記には、クマを意味する“bear”を基に、''monkeybear''(猿クマ)、''nativebear''(固有のクマ)、''tree-bear''(木のクマ)などと呼ばれることがある。 |
| また日本語ではコモリグマなどと呼ばれることがある。 |
形態
| 体長はクイーンズランド州に生息するコアラのオスで体長674-736mm、体重4.2-9.1kg、メスで体長648-723mm、体重4.1-7.3kg、オーストラリア南部に生息するコアラはオスで体長750-820mm、体重9.5-14.9kg、メスは体長680-730mm、体重7-11kgであるCathJonesandSteveParish,FieldGuidetoAustralianMammals,P64-69,SteveParishPublishing,ISBN174021743-8。 |
| 尾は外部から見えない。 |
| オスはメスよりも体重が最大で50%重く、体長も大きい。 |
| また、北部の亜種より、南部の亜種の方が25-35%ほど大きい。 |
| 体色は背面が灰色で、腹面が白色から乳白色である。 |
| 北部の亜種に比べ、南部の亜種はよりふさふさとしており、冬の寒さに耐えられるようになっている。 |
| オスの胸には茶色の縦線-胸腺があり、ここからにおいを発する。 |
| オスはこの腺から出るにおいや、尿のにおいにより、なわばりを主張する。 |
| 外耳は小さいが周囲の体毛が長いため、特に南部亜種では大きく見える。 |
| 樹上生活に適応しており、手足には鋭い爪のついた5本の指をもつ。 |
| 前足は第1指と第2指と他の3指が向かい合っており、木の枝などをつかむことができる。 |
| また、後肢の第2指と第3指は癒合しており、第1指と他の4指が向かい合っていて、前足と同様に木の枝をつかめるようになっている。 |
| また後足の癒合した第2指、第3指の爪が他の爪よりも少し長く、これを使い毛繕いを行うTonyLee,Koalas,''AustralianGeographic'',Vol.23,TelleyHills:TheJournalofTheAustralianGeographicSociety,1991,pp.50-67。 |
| メスは育児嚢を持ち、この中に乳首を二つ持っている。 |
| 育児嚢はウォンバットと同じく後ろ向き、つまりコアラが座っている状態の場合、下向きについている。 |
| オスの交尾器は有袋類の独特な形状をしており、途中から二股に分かれてY字型をしていて亀頭が二つある。 |
| これはメスの膣内がY字に分かれていて、真ん中を産道が通っているためである。 |
| ファイル:Koala.jpg|コアラのオス胸に茶色の縦線がある。 |
| ファイル:Friendly_Female_Koala.JPG|コアラのメス胸は白色。 |
| コアラの歯式はI3/1(門歯)、C1/0(犬歯)、P1/1(小臼歯)、M4/4(大臼歯)BarbaraTriggs,TRACKS,SCATSANDOTHERTRACES,Oxford,ISBN019555099-4。 |
| 犬歯は肉食獣ではないため大きくはないが、臼歯はよく発達し年齢とともにすり減っていく。 |
生態
| 通常は単独性で、2頭以上でいることは稀である。 |
| 繁殖期にのみ、オスとメスが一緒にいたり、またメスと子供が一緒にいたりする。 |
| 樹上で生活するが、木の葉を集めたものや、樹洞を利用したりというようなことはせず、特定の巣は持たない。 |
| 休む時は通常、葉がよく生い茂り、太陽光や雨などがしのげる樹上で休息し、たいてい木の上方3分の1くらいの所までにいる。 |
| 一日のうち18-20時間を眠るか休んで過ごし、最も活動的になる時間は早朝および夕方で、薄明薄暮性である。 |
| この生態はナマケモノに似るが、ナマケモノは体温が一定しない変温動物であるがコアラは36℃ほぼ一定の体温をもつ恒温動物であり、基礎代謝量もナマケモノの三倍近いK.A.NagyandR.W.Martin1985.FieldMetabolicRate,WaterFlux,FoodConsumptionandTimeBudgetofKoalas,PhascolarctosCinereus(Marsupialia:Phascolarctidae.AustralianJournalofZoology33:655-665)inVictoria.。 |
| 地上に降りることは稀だが、木から移動する際に地上に降りたり、ときには数mほどであれば樹間を飛び移ることもできる。 |
| 天敵となるのは、大きな猛禽類をはじめ、まれに地上を歩いた時に、ディンゴ、野生化したイヌ、キツネなどにおそわれる可能性があるBurnieDavid,Animal,2001,DK,ISBN978-1-7403-3578-2。 |
| ほとんど鳴くことはないが、繁殖期になるとオスがなわばりを誇示するために鳴くことがある。 |
| 食性は草食性でユーカリやアカシア、ティーツリーの葉や芽を、一日に500g-1kg以上を食べる。 |
| オーストラリアにはユーカリは600-700種以上あるとされるが、食用になるユーカリはこの中で約35-120種である。 |
| さらに、各地域に生息するコアラは、その地域にある全てのユーカリを食べるのではなく、多くのユーカリの種の中から数種類のユーカリやその他の植物を好んで食べるStephenPoolandothers,WildPlaceofGreaterBrisbane,QueenslandMuseum,P59。 |
| 糞の形状は円筒形をしており、成獣の場合で長さは約2cm前後で、排出されたばかりの糞はユーカリ特有の匂いがし、表面は乾燥するとざらざらとしている。 |
| ユーカリの葉は、昆虫や野生動物に食べられるのを防ぐためにタンニンや油分が含まれており、消化が悪く、一般に動物の餌として適さない。 |
| さらに盲腸で発酵させることでユーカリの毒素を分解し、消化吸収する。 |
| コアラの盲腸の長さは2mある。 |
| コアラが常食する食物には栄養に乏しく活発な行動をするためのエネルギーを得ることができないため、一日のうち18-20時間を眠って過ごすことで、エネルギーを節約している。 |
| 通常、水分はユーカリ(種類にもよるが50-70%の水分を含む)などの食物からのみ摂取し、直接水を飲むことは稀であるが、火災などでユーカリの葉が焼けたり猛暑で脱水症状におちいったコアラが水を飲む姿がたびたび目撃されている |
| 1970年代にクラミジアに感染しているコアラが確認され、1982年までにブリスベン森林公園やフィリップ島などで、クラミジアへの感染率が80-90%になっているのが確認された。 |
| クラミジアは今なお、コアラの間で流行しており、これにより目が見えなくなったり、またメスの場合は不妊などを引き起こしている。 |
| クラミジアが確認されなかったフレンチ島のコアラの繁殖率は約80%に達していたのに対し、ブリスベン森林公園でのコアラの繁殖率は40-50%、フィリップ島では10-15%であった。 |
| 現在、生息しているコアラの大部分はクラミジアを保有しているとされ、生息地の環境破壊などコアラのストレスの増加により症状が発症するとされ、このことは人間の活動の結果による生息地の破壊や、交通事故などによるコアラの生息頭数の減少数などと同様に問題となっている。 |
| また、クラミジアに対するワクチンを開発し野生個体に注射するより、これらの生息地の開発、破壊を防ぎ、コアラがストレスなく生息できる環境をつくることが、有効とされる。 |
繁殖
| パップを食べる行動はその後約6-8週間続き、子供はパップによってユーカリの葉を消化するための微生物を得て、一生涯にわたり、母親と同じ数種の葉を食べるようになる。 |
人間との関係
| しかし、ヨーロッパ人到達の植民地化以降、特に1860年代から1920年代後半にかけてコアラの毛皮をとるために狩猟が行われており、イギリスのロンドンだけで毎年1-3万頭分もの毛皮が販売されていた。 |
| 例えば1889年には30万頭分の毛皮がイギリスへ輸出され、また1920年代にはアメリカへの輸出がされていた。 |
| 一時的にではあるが1898年にはビクトリア州で、1906年にはクイーンズランド州でコアラの狩猟が禁止されたが、この間も狩猟が行われ、“ウォンバットの毛皮”として輸出されていた。 |
| また最盛期にあたる、1919年にはクイーンズランド州では100万頭以上が、1924年にはニューサウスウェールズ州で100万頭以上ものコアラが毛皮のために捕獲され、また1927年には狩猟が許可された期間である約1ヶ月間で58万5千頭弱分ものコアラが捕獲され、毛皮がとられた。 |
| このように捕獲がしやすかったコアラは、次々と毛皮のために狩猟されていき1930年代後半までには南オーストラリア州では絶滅の危機に瀕し、その他の州では急激に減少していた。 |
| このような乱獲や開発による生息地の分断などにより、クイーンズランド州北部、南オーストラリア州、またニューサウスウェールズ州とビクトリア州の州境付近などで個体群が孤立した。 |
保全状態の評価
| 国際自然保護連合のレッドリストでは、軽度懸念(LeastConcern)に指定されている |
| オーストラリア政府の法律では、サウス・イースト・クイーンズランド地域の個体群を除き保護対象になっておらず、2010年9月30日までに再評価を行うとしている。 |
コアラの飼育施設
| 1980年までオーストラリア以外でコアラを見ることができたのは、1915年にコアラの飼育を始めたアメリカのサンディエゴ動物園だけであり、コアラの生息数が減少してからはオーストラリア政府は海外へ輸出することを禁止していた。 |
| 1980年にオーストラリアの法律が改正され、1984年および1985年にオーストラリアのタロンガ動物園から日本の多摩動物公園、東山動植物園、平川動物公園の3園に贈られた。 |
| 最も問題となるがコアラの餌で、前述のように、コアラはユーカリなど決まった植物の中からさらに特定の種類、しかも若い木の葉ではいけないなどの嗜好があり、大量に食べる為、合理的にコアラを飼育するには餌用のユーカリを専門に栽培する農家の存在と、ユーカリを年中安定して供給できる環境が必要である。 |
キャラクターとしての利用
| 1984年3月に、コアラが初来日する前にその情報を得たロッテがコアラをモチーフとしたコアラのマーチを発売した。 |
| ドアラはコアラが初来日した東山動植物園のある名古屋市に本拠地を置く中日ドラゴンズのマスコットである。 |
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1798年
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コアラはコアラ科コアラ属で現生する唯一の種... |
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1802年
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探検家のフランシス・バラリアーが、先住民が... |
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