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二人の息子はアパルトマンから歩いて3分の ルイーズ・ミッシェル小学校に入学した。 下の息子は幼稚部、上の息子は小学校2年生に編入された。 教科書は無料配布であるが、先輩のお古が半分混じっていた。 学年が変わると教科書は学校に返さなくてはならないので、 落書きはもちろんできないし、汚さないように大切に使わなくてはならない。 フランスでは物は大事に使う。 学校からもらった用意すべき学用品リストの中に不思議なものがあった。 石盤と万年筆である。 石盤はブルターニュ地方の屋根に葺かれているスレートと 同じ材質の粘泥岩を薄くしたものを板枠で囲ったものである。 この上にチョークでお習字をするのである。 これは日本では昭和初期まで使われていたようであるが、 ノートが出てきて消えたようである。 まさかこんなものを今でも使っているとはね。 少し重くはあるが、確かにこれなら紙を無駄に使うこと ... もっと見る
二人の息子はアパルトマンから歩いて3分の ルイーズ・ミッシェル小学校に入学した。 下の息子は幼稚部、上の息子は小学校2年生に編入された。 教科書は無料配布であるが、先輩のお古が半分混じっていた。 学年が変わると教科書は学校に返さなくてはならないので、 落書きはもちろんできないし、汚さないように大切に使わなくてはならない。 フランスでは物は大事に使う。 学校からもらった用意すべき学用品リストの中に不思議なものがあった。 石盤と万年筆である。 石盤はブルターニュ地方の屋根に葺かれているスレートと 同じ材質の粘泥岩を薄くしたものを板枠で囲ったものである。 この上にチョークでお習字をするのである。 これは日本では昭和初期まで使われていたようであるが、 ノートが出てきて消えたようである。 まさかこんなものを今でも使っているとはね。 少し重くはあるが、確かにこれなら紙を無駄に使うことがない。 日本のように紙を使う文化がなかったので、 紙はいまだに高価なものという感覚があるのであろうか。 もうひとつの不思議が万年筆である。 フランスの小学校では鉛筆と消しゴムは使わない。 鉛筆は子供の手首に余分な負担をかけるのと、 美しい字はやはり万年筆でないとだめだということらしい。 鉛筆だと間違ったときに消しゴムで消せるが、 万年筆では間違った時はどうするのか。 よくしたもので修正用具がある。 棒の両側にキャップをかぶせた形で、 片方にアンモニア液を含んだ白い棒があり、 これでこするとインクが消える仕掛けになっている。 インクを消した後にもう一度万年筆で書いても、 アンモニアが残っているのですぐ消えてしまう。 反対側のキャップを外すと青い芯があって、 これで書きなおすと消えない。 万年筆はスーパーで 一本千円の使い捨て万年筆 を売っている。 ウォーターマン社製である。 小学生は皆この万年筆を使っているという (注)因みにウォーターマンは毛細管現象の万年筆をアメリカで 発明したが会社をフランスに移し、今はフランスの会社である。 この万年筆を使ってみると実に書き心地がよいのに驚かされる。 普通万年筆でノートをとると、一ページの終わりころには 目詰まりして字がかすれる。 ところが、この使い捨て万年筆はいくら書き続けても かすれるということがない。 すっかり嬉しくなった私は、この使い捨て万年筆を 会社の仕事にも使っていた。確かに手首が疲れないからである。 半年もするとペン先が痛んでくるので、買い直しをしていた。 すっかりウォーターマン社の万年筆にほれ込んだ私は、 帰任する前にパリの免税店で10万円をはたいて 同社の万年筆を買い求めた。(写真) ところがこの万年筆は、やはりかすれるのである。 (注)為替レートは当時の1フラン=20円、1ユーロ=6.65フランx20円=133円で換算。 戻る
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