| アルバム「サード・ライヒン・ロール」のタイトルはナチスの第三帝国(サード・ライヒ)からとられ、音楽業界の重役たちの姿がまるでナチスのように加工された写真やイラストが、アルバムのジャケットに飾られた。 |
| レコードの各面にはそれぞれ1曲ずつ(約17分30秒)が収録され、どれも古典的なロックンロール・ソングが切り刻まれて再編集され、ボーカルとパーカッションとテープ・ノイズがオーバーダブによりちりばめられた内容になっている。 |
| この行為は既存の楽曲が意図的に荒らされ、非常に異なった曲へと変えられてしまう結果となったが、むしろレジデンツにとってこれは楽曲の「反・荒らし」行為であり、商業主義とは無縁になった曲がどのように聞こえるかを示したものなのだという。 |
| それから彼らは「無名の理論」を論理的に発展させ、発表しないことを念頭に置いた「ノット・アヴェイラブル」を1974年に録音した。 |
| 彼らはこのアルバムをオクラ入りにし、誰もがその存在を忘れてしまった時点で発表しようとしたのである。 |
| しかし彼らがアルバムのことを忘れかけていた1978年に、レコード会社は契約の義務からこのアルバムを一般に発表してしまった。 |
| また「エスキモー」(1980年)は音楽的でない音やパーカッション、言葉にならない声などから構成された曲が収録されたアルバムで、これらは(伝統的な意味での)歌というよりも、物語の台詞のない実況中継のようであった。 |
| このアルバムはグラミー賞にノミネートされかけた。 |
| 後に彼らはアルバムの「曲」をディスコ調にアレンジし、「ディスコモー」という名のEPにして発表した。 |
| 「エスキモー」はサラウンド・サウンド付きオーディオDVDとして2003年に再発表されている。 |
| そして従来のポップソングが、3分ほどの間に歌メロとサビが3回ずつ繰り返される形式を持っているのに対し、「コマーシャル・アルバム」(1980年)には歌メロとサビが約1分間に1回ずつ演奏される曲が40曲収録されている。 |
| これらの曲はCMソングの雰囲気を持っているものの、どんな既存の商品もしくはサービスを宣伝するようなものでもない。 |
| レジデンツはこのアルバムを宣伝するために、サンフランシスコで最も人気のあるラジオ局のCMスポットを1分ずつ40スポット購入した。 |
| これによりアルバムの各曲が3日にわたり、このラジオ局から流されることになったのである。 |
| ビルボード誌はこのことを記事に取り上げ、果たしてこれは芸術行為なのか、それともただの宣伝なのだろうかと不思議がった。 |
| レジデンツはミュージック・ビデオの先駆者としても知られている。 |
| MTVが放送を開始したばかりのころは、流せるビデオがまだ全体的に少なかったため、彼らのビデオがよく流されていた。 |
| 彼らの最初期のビデオは、ニューヨークの近代美術館の永久コレクションにも含まれている。 |
| これらのビデオは2001年に発表された「イッキー・フリックス」というDVDに収められており、このDVDでは全ての曲の再録バージョンが聴ける特典も付いている。 |
| さらに1980年代にはアルバム「マーク・オブ・ザ・モール」およびその続編などが発表され、有名な手品師のペン・ジレットが毎晩ナレーションを行なう、初の公式ツアーも行なわれた。 |
| 「モール3部作」は未だ最後のアルバムが発表されていないが、これはレジデンツの想像力のどこかに埋もれているのであって、失われたアルバムでは決してないと言われている…しかし、誰も息をひそめて待っているようなことはしない。 |
| これに続いて彼らは「アメリカの作曲家シリーズ」を発表する。 |
| これはジョージ・ガーシュインとジェームズ・ブラウンなどといった組み合わせで、レコードの片面それぞれにアメリカの有名な作曲家のカバー曲を収録したものだった。 |
| しかし法的に厄介なことになるのを避けるため、このシリーズは最初の発表以来、無期限延期の状態に陥っている。 |
| 他にもレジデンツはマルチメディアCDを早く発表したことでも知られており、最初の2作品「フリーク・ショー」と「ジンジャーブレッド・マン」はエンターテイメント・ウイークリー誌に「最良のエンターテイメント・ソフトウェア」として選ばれたこともある。 |
| さらに彼らは「CensusTaker」や「ピー・ウィーのプレイハウス」、ディスカバリー・チャンネルの自然番組「Hunters」といった映画や番組のサントラに曲を提供しているほか、MTVのいくつかのCMの音楽も手がけている。 |
| 現在でもレジデンツは新しい作品を発表し続けており、絶版になったアルバムの特別版の再発(彼らは700以上の曲を手がけてきたのだ)や、DVDの発表にも力を入れている。 |
| 彼らはツアーも行なうが、頻度はとても少ない。 |
| 1990年代半ばからはモリー・ハーヴィーという歌手が、よく彼らとアルバムの録音およびライブ活動を共にするようになったが、レジデンツは自らを完全に匿名の存在だと考えているために、彼女はバンドのメンバーというよりも、むしろスネークフィンガーのような一時的(あるいは継続的)なゲスト・スターとされている。 |
| また最近の彼ら(正確にはクリプティック・コーポレーション)は、eBayにおいて過去のライブなどで使われた、様々な備品や小道具を売りに出している。 |