【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の印字ヘッドや画像読取装置の走査光学系といった搬送対象を平行に移動させる機構であるキャリッジを搬送する機構及びこれを用いた記録ヘッド搬送装置、画像形成装置、原稿読取装置及び複写機に関し、特に、搬送時のキャリッジの振動を防止するキャリッジ搬送機構及びこれを用いた記録ヘッド搬送装置、画像形成装置、原稿読取装置及び複写機に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ、ワードプロセッサと行った装置は、画像形成用の印字装置や原稿を読み取るための読み取りユニットを記録紙又は原稿と平行に移動させるために“キャリッジ”と呼ばれる機構が用いられている。
【0003】
現状のインクジェット記録装置では、記録速度の高速化の要望が高まっている。それに伴い、インクジェット記録ヘッドの延長、キャリッジの ... もっと見る
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の印字ヘッドや画像読取装置の走査光学系といった搬送対象を平行に移動させる機構であるキャリッジを搬送する機構及びこれを用いた記録ヘッド搬送装置、画像形成装置、原稿読取装置及び複写機に関し、特に、搬送時のキャリッジの振動を防止するキャリッジ搬送機構及びこれを用いた記録ヘッド搬送装置、画像形成装置、原稿読取装置及び複写機に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ、ワードプロセッサと行った装置は、画像形成用の印字装置や原稿を読み取るための読み取りユニットを記録紙又は原稿と平行に移動させるために“キャリッジ”と呼ばれる機構が用いられている。
【0003】
現状のインクジェット記録装置では、記録速度の高速化の要望が高まっている。それに伴い、インクジェット記録ヘッドの延長、キャリッジの移動速度の高速化、キャリッジの移動方向を反転する時間の短縮が要求されている。画像読取装置においても、読み取り速度の高速化の要望が高まっており、同様に、キャリッジの移動速度の高速化や移動方向の反転に要する時間の短縮が求められている。
【0004】
しかし、インクジェット記録ヘッドを延長するとキャリッジによって搬送される部材の重量が増加してしまうし、キャリッジの移動や反転を高速化するとキャリッジが搭載される装置の振動が大きくなってしまう。
【0005】
特許文献1に開示される「ベルト式駆動装置」には、ステッピングモータの始動時の負荷による無端ベルトの振動を振動防止部材によって急速に減衰させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−46138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載の発明は、ステッピングモータ始動時の負荷自体を低減しているわけではない。このため、ステッピングモータ始動時に発生した振動が継続しないようにはできるものの、振動自体が発生しないようにしたり、初期振動の振幅を小さくすることはできなかった。
【0007】
本発明は係る問題に鑑みて為されたものであり、キャリッジの移動に伴う振動の発生自体を低減するとともに、振動が発生したとしてもその振幅を小さく抑えることのできるキャリッジ搬送機構、及びこれを用いた記録ヘッド搬送装置、画像形成装置、原稿読取装置及び複写機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、搬送対象を搭載するためのキャリッジが取り付けられた無端ベルトに動力源が発生させる回転力を伝達し、キャリッジをガイド部材に沿って往復移動させるキャリッジ搬送機構であって、無端ベルトのキャリッジが取り付けられた位置と対称な位置に、振動防止部材を設けたことを特徴とするキャリッジ搬送機構を提供するものである。
以上の構成においては、キャリッジの移動方向と逆の方向に振動防止部材が移動することにより、キャリッジの加速負荷を低減し、本機構が収容される筐体の振動を低減できる。また、筐体の剛性が低くとも振動を抑えられるため、筐体に使用する材料の量を減らすことができ、本機構を適用する装置の製造コストを削減できる。
【0009】
上記本発明の第1の態様においては、振動防止部材の比重は、搬送対象が搭載されたキャリッジの比重よりも大きいことが好ましい。搬送対象が搭載されたキャリッジよりも比重が大きい材質を用いて振動防止部材を形成することにより、振動防止部材が占める体積をキャリッジが占める体積未満とすることができ、省スペース化が可能となる。
【0010】
また、上記本発明の第1の態様においては、振動防止部材の質量をW、搬送対象が搭載されたキャリッジの質量をNとしたとき、W≦2Nの関係を満たすことが好ましい。以上の関係を満たすように振動防止部材の質量を設定すれば、振動防止部材を設けることによってキャリッジ単体の場合よりも振動が大きくなってしまうことはない。
【0011】
また、上記本発明の第1の態様においては、振動防止部材の移動を案内する案内部材をさらに有し、振動防止部材は、案内部材と当接した状態で摺動することが好ましい。以上の構成によれば、無端ベルトの振動を抑えるともに速やかに減衰させることができ、本構成を収容する筐体の振動を低減できる。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、上記本発明の第1の態様のいずれかの構成に係るキャリッジ搬送機構を用いた記録ヘッド搬送装置であって、搬送対象が、少なくとも1色のインクを記録紙に吐出する記録ヘッドであり、ガイド部材は、キャリッジを主走査方向に案内することを特徴とする記録ヘッド搬送装置を提供するものである。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、上記本発明の第2の態様に係る記録ヘッド搬送装置を有し、該記録ヘッド搬送装置を副走査方向へ移動させることにより、記録ヘッドが吐出するインクで記録紙に画像形成することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第4の態様として、上記本発明の第1の態様のいずれかの構成に係るキャリッジ搬送機構を有する原稿読取装置であって、搬送対象は、原稿を光学的に読み取るラインセンサであり、ガイド部材は、キャリッジを原稿の副走査方向に案内することを特徴とする原稿読取装置を提供するものである。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第5の態様として、上記本発明の第3の態様に係る画像形成装置、及び上記本発明の第4の態様に係る原稿読取装置の少なくとも一方を備えたことを特徴とする複写機を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、キャリッジの移動に伴う振動の発生自体を低減するとともに、振動が発生したとしてもその振幅を小さく抑えることのできるキャリッジキャリッジ搬送機構、及びこれを用いた記録ヘッド搬送装置、画像形成装置、原稿読取装置及び複写機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に、本発明を好適に実施したキャリッジ搬送機構の構成を示す。このキャリッジ搬送機構は、キャリッジ1、シャフト2、タイミングベルト3、従動プーリ4、駆動プーリ5、DCブラシレスモータ6、振動防止部材7及びガイド板9を有する。
キャリッジ1は、搬送対象(画像形成装置に適用する場合にはインクヘッド、画像読取装置であればラインセンサなど)を設置するための台である。シャフト2は、キャリッジ1を支持するとともに、キャリッジ1が移動する際にはこれを案内する部材である。タイミングベルト3は、駆動源であるDCブラシレスモータ6の駆動力をキャリッジ1に伝達するための無端ベルトである。従動プーリ4は、タイミングベルト3を支持するための部材であり、回転自在に設置されている。駆動プーリ5は、DCブラシレスモータ6の駆動軸に取り付けられており、DCブラシレスモータ6の駆動力をタイミングベルト3に伝達する。DCブラシレスモータ6は、キャリッジ1を移動させるための動力源である。振動防止部材7は、キャリッジ1の振動を抑えるための部材である。ガイド板9は、振動防止部材7が移動する際にこれを案内する部材である。
【0018】
図1において、DCブラシレスモータ6は、駆動プーリ5を回転駆動し、駆動プーリ5と従動プーリ4との間に掛け渡された環状のタイミングベルト3を図中矢印Aに示す方向に往復運動させる。これにより、タイミングベルト3に結合されているキャリッジ1もシャフト2上を矢印A方向に沿って往復運動する。
【0019】
キャリッジ1が駆動プーリ5側から従動プーリ4側へ移動するときには、駆動プーリ5側から従動プーリ4側へ加速負荷が生じる。また、逆にキャリッジ1が従動プーリ4から駆動プーリ5側へ移動するときには、従動プーリ4側から駆動プーリ5側へ加速負荷が生じる。これらの加速負荷は、キャリッジ搬送機構が収容される筐体全体を振動させる力として作用する。
【0020】
本発明に置いては、振動防止部材7をタイミングベルト3のキャリッジ1と対称となる位置取り付けることにより、キャリッジ1の往復運動に伴う筐体の振動を防止している。
【0021】
具体的には、キャリッジ1が駆動プーリ5側から従動プーリ4側へ移動する際には、振動防止部材7は従動プーリ4側から駆動プーリ5側へ移動する。よって、キャリッジ1の加速負荷と振動防止部材7の加速負荷とが相殺し、筐体の振動が低減される。
【0022】
振動防止部材7の材質としては、金属又は樹脂などが好ましい。キャリッジ1の主な材質は樹脂であり、その他印字ヘッドなど金属が少量使用されている。よって、振動防止部材に金属又は樹脂などの比重の大きい固体の物質を用いることにより、小さい体積でキャリッジ1と同等の質量を持たせることができ、省スペース化を図ることができる。
【0023】
振動防止部材7の質量をW、キャリッジ1の質量をNとしたとき、振動防止部材7の質量が、W≦2Nを満たす場合は、キャリッジ1の加速負荷は、逆方向に移動する振動防止部材7の加速負荷によって減少し、筐体の振動が低減される。一方、振動防止部材7の質量がW>2Nの条件を満たす場合には、振動防止部材7を設けた方がキャリッジ1単体の場合よりも加速負荷が大きくなり、筐体の振動が大きくなってしまう。
よって、W≦2Nの条件を満たすように振動防止部材7の質量を決定することが好ましい。
【0024】
これらをまとめると、振動防止部材7は、金属や樹脂等の比重が大きい材質を用い、キャリッジ1の質量の2倍以下の質量として、タイミングベルト3のキャリッジ1と対称な位置に設置することが最も好ましい。
【0025】
振動防止部材7は、図2に示すようにガイド板9と接触させて、ベルトの振動を抑制し筐体の振動を抑えるようにすることが好ましい。この時、振動防止部材7のガイド板9と接する面には、摩擦負荷を自在に変化させることができるように樹脂8を塗布又は装着してもよい。
摩擦負荷は、振動防止部材7の材質や形状、質量によって最適値が異なるため、これらの組合せに基づいて、キャリッジ1の振動が最も低減されるように設定することが好ましい。
【0026】
上記構成は、記録ヘッド搬送装置、画像形成装置、原稿読取装置及び複写機などの従来技術によるキャリッジ搬送機構を備えたあらゆる装置に適用可能である。従来技術によるキャリッジ搬送機構を上記同様の構成に置き換えることにより、キャリッジの移動に伴う振動の発生自体が低減されるとともに、振動が発生したとしてもその振幅は小さくなる。
【0027】
なお、上記実施形態は、本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはなく、様々な変形が可能である。
【公開番号】特開2005−81673(P2005−81673A)
【公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発明の名称】キャリッジ搬送機構、記録ヘッド搬送装置、画像形成装置、原稿読取装置及び複写機
【発明者】
【氏名】成瀬 慎一郎
【氏名】工藤 卓
【氏名】野中 学
【氏名】西田 一
【氏名】藤田 明宏
【氏名】川嶋 保宏
【氏名】吉水 英毅
【氏名】養田 泰信
【氏名】亀山 賢士
【氏名】石川 一正
【氏名】伊藤 茂行
【氏名】道木 要造
【出願番号】特願2003−315664(P2003−315664)
【出願日】平成15年9月8日(2003.9.8)
【出願人】
【識別番号】
【氏名又は名称】株式会社リコー
【代理人】
【識別番号】1
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫戻る

























