| 海面上昇に北極は関係しない。 |
| :明日香らは「“極地(polarregion)”に関する定義を“極地=南極大陸と北極海のみ”と解釈して論を進めているのが根本的な欠陥であり、すべての間違いがここに起因している」と指摘している。 |
| また「氷床」の誤用『環ウソ2』45頁「北極の氷床は原則としてアルキメデスの原理がある」(海に浮かんだ氷は氷床ではない)など、基本的知識についても誤りがある。 |
| 南極の氷は温暖化で増える。 |
| :南極については、IPCCの第四次報告書 |
| 南極の氷が増えるという主張は「前著では、第4次報告書が発表されていなかったため第3次報告書を使用している」ことによるとする。 |
| しかし、棚氷の崩落による氷床流出量の増加は、第4次評価報告書が出る前に報告されているので、最新の研究を参照していないことになる。 |
| さらに、第4次評価報告書が出て以降も、同報告書の将来予測の、南極の氷床が増加するとの一部の記述のみを引用し、それ以降に「しかし」と続く力学的流出量の増加に触れない恣意的引用がみられる |
| 南極が全てマイナス数十度であるかのような主張も誤りであり、気温が比較的高い部分は氷が解ける。 |
| 海面上昇の要因。 |
| :IPCCの報告書に記述されていないことを「報告している」と述べており、明日香らは「率直に言って、この文章はかなり問題である」と指摘している。 |
| :著書においては海水の熱膨張による海面上昇を説明しているが、テレビ出演では「北極の氷が融けてもアルキメデスの原理で海面があがるはずない」「南極の氷は増えている」と一面だけを捉えて説明し、地球温暖化で海面が上がらないかのような主張を行った |
| 環境省は誤訳している。 |
| :環境白書の記述では、「気温の上昇は、海水の膨張、極地及び高山地の氷の融解を引き起こし、その結果として海面の上昇を招きます」 |
| 明日香らが「「極地」という言葉を正確に把握する限りにおいて、極地の氷が海面上昇に与えるプラスの影響に関するIPCCと環境省との見解に齟齬はない」とするように、誤訳ではない。 |
| 朝日新聞の記事が温暖化騒ぎの発端である。 |
| :山本弘は『環ウソ』における朝日新聞の記事への批判について、武田が2034年1月1日付のフィクション記事を本物の記事であるかのように取り上げていること、当該記事には「北極」との記載は一切なく「極地」との記載があるにもかかわらず「北極」と記載されていると虚偽の主張をし、さらに「極地」の範囲を誤って解釈していることで、「存在しない文章を捏造し、「誤報」に仕立て上げた」と批判している。 |
| また山本は、「北極の氷が溶けて海面が上昇」との間違った報道が続いている、との武田の主張に沿う記述は1984年~2006年に9件に過ぎないと指摘している。 |
| 武田は朝日新聞の記事を捏造したことについて山本からメールで指摘を受けて訂正を約束したが、その3ヵ月後に発行された『環ウソ』第10刷においても訂正されていない。 |
| つまり「北極海の氷が融けて海面が上昇する」と広く報道されていたわけではないので、テレビ出演などでアルキメデスの原理を持ち出す必然性はなかった。 |
| 持続性社会を作るためには二酸化炭素を増やすべき。 |
| :平安時代が今より暖かかったとしているが、中世の温暖期さえ現在より気温は低く、誤りである。 |
| また、縄文時代は現在より気温が高かったが、現在より海面が数m高く日本の平野部の多くは水没していた。 |
| 温暖化で一様に気温がシフトするのならともかく、実際は降水量の分布なども激変することが考えられ、農作物の収穫は減る可能性が考えられており、温暖化は良いことだらけであるという主張は科学的根拠に基づいていない。 |
| 地球温暖化(globalwarming)を気候変動(climatechange)と言い換えることが国際的に多くなったのはこのためである。 |
| 二酸化炭素排出を削減しても意味はない。 |
| :京都議定書は二酸化炭素の削減目標であり、二酸化炭素の温室効果への寄与度は温室効果ガス中60%だから、効果は限定的と主張しているが、京都議定書は正しくは二酸化炭素を含めた温室効果ガスの削減目標である。 |
| 樹木は二酸化炭素を吸収しない。 |
| :この主張は枯れた木がすぐに全て分解され二酸化炭素を放出するという前提でしか成立しない。 |
| 実際には土壌中蓄積として長時間炭素が残るため、森林は二酸化炭素を吸収する |
| 温暖化懐疑論者は「IPCCは陸上にしか存在しない観測点に頼っているため間違っている」などという明らかな初歩的誤りの主張をしているが、そうした池田清彦、渡辺正などと一緒にテレビ出演し、彼らの誤謬を正すこともしていない。 |
| また、『環ウソ3』などでは、懐疑論者間では意見が食い違い互いに矛盾していることに気づかず、様々な懐疑論を寄せ集めているため、内的整合性がない。 |
| 明日香らは、武田の説に代表される温暖化懐疑派の主張は根拠や出典があいまいなものや、すぐに間違いとわかるものが多く、また大部分の懐疑派は、気候科学や地球科学を専門とする研究者ではないとした上で、地球温暖化懐疑論を通説と平等に扱えば、地球温暖化懐疑論が専門家の間で大きな勢力となっている印象を視聴者に与える可能性があると指摘している。 |
| ;エネルギー問題・ゴミ問題。 |
| 「自動車や電池に水素を使うには水素分子しか使えないからエネルギー効率は赤字になる」とし燃料電池や水素自動車を否定し、これらを推進する科学者は「詐欺師」であるとしている |
| しかし、これは内燃機関と燃料電池の効率が等しいという誤った前提に基づいている。 |
| 実際には、燃料電池のほうが効率が良い。 |
| また、実際に必要なのは水素分子ではなくH+なので、メタノールを使うこともできる。 |
| 新幹線と飛行機で移動する場合のCO2排出量の比較の際に、新幹線が飛行機の10分の1であるとのJR東海の広告について、新幹線は駅や線路の建設の際のCO2排出量が空港を建設する場合のCO2排出量より多いため、誤りであると批判している |
| しかし、当該広告は単純に移動において追加的に発生するCO2排出量を比較したものであり、過去の建設の際に発生したCO2排出量は含めていない(建設の際のCO2は一度きりのもので移動の際に毎回発生するCO2と同列に論じられない)。 |
| 人件費を含んだコストと環境負荷を同一視したうえで、価格については「「かかった経費+必要最小限のもうけ」=「売値」になっている」という前提で「新幹線でグリーン車に乗ればグリーン料金分だけ環境負荷が増加する」「軽自動車の10倍の値段のレクサスは環境負荷が軽自動車と比較して10倍高い」と主張している。 |
| しかし、実際の正常な経済活動では価格は需要と供給で決定するものであり、コスト+適正利潤がそのまま価格になるわけではなく、しかも、コストと環境負荷は同一でもなく、武田の主張は二重に誤っている。 |
| 「リサイクルをしたから消費量が増えた」と相関関係と因果関係をすり替えた主張をしている。 |
| リサイクルするにせよ焼却するにせよ、回収にはエネルギーを要するのにも関わらず、リサイクルのための回収のエネルギーのみを問題にしているのはダブルスタンダードである。 |
| この論法を他の問題にも使っている(古紙問題でも、リサイクルにはエネルギーを要するが、新たに外国で木を伐採し日本へ輸送するのにも多大なエネルギーを要する)。 |
| ペットボトルを含め廃プラスチック類を焼却すると高温度となり、焼却炉の耐用年限が短くなり、莫大な建設の費用負担が大きくなる。 |
| 武田は「ペットボトルの利用量は51万tなのに、再利用量は3万tである」と述べ、根拠として掲載したグラフの出典を「PETボトルリサイクル推進協議会」とした。 |
| 同協議会はこれに対し、「一切弊協議会のデータではなく、弊協議会の名前を騙った捏造データであります。 |
| 」と抗議した |
| 3万tが少なすぎるというのなら、国や関係団体は正確な量を調べてほしい廃棄物処理法、容器包装リサイクル法などの環境諸法令上で行政や関係団体が統計する法的責任はない。 |
| 引用がPETボトルリサイクル協議会になっていたのは誤りで、次書では訂正する」と言ったとされる金子憲治「25万部の"環境本"に疑問の声ペットボトルの再利用量で論議」『日経エコロジー』2007年8月号、14頁、日経BP社。 |
| 「それは『誤り』だったというのではなく、『もし協議会がご不満なら謝る』ということだ」「データ元に経緯を評して引用」(原文ママ)したと述べている |
| しかし、PETボトルリサイクル推進協議会の年次報告書 |
| 捏造との指摘を受けている同リサイクル量を公表したことに対し、武田は「独自に調べた数字を出すのはいけないと批判された」と主張している |
| しかし、武田への批判は、PETボトルリサイクル協議会が公表していない値を、同協議会が公表したとして発表したこと、及び、独自に公表したリサイクル量の算出根拠が曖昧で故意に過小な数字を算出しているとの観点からであり、「独自に公表すること自体が批判された」ということではない。 |
| 「レジ袋は石油の余り物からできている」と主張しているが、実際には他の多くの製品に使用可能なナフサから製造されているので誤りである。 |
| 「資源が無くなるときに資源を節約すると、その国や都市は滅びた」とし、「石油が無くなるのが事実なら、石油のあるうちに早く使って新しい時代を築かなければならない」と主張しており、その例として「薪(19世紀初頭)、石炭(20世紀中盤)」を挙げているが薪や石炭は枯渇したわけではなく、前提が誤っている。 |
| しかも、一方ではレジ袋を使わないほうが、「かえって石油を多く使う」とも主張しており、石油のあるうちに早く使うのが望ましいのであれば、レジ袋を使わないほうが望ましいことになり、主張が自己矛盾している。 |
| 森林ジャーナリストとして著作があり国産割箸の活用を主張する田中淳夫は、武田の著書について「目茶苦茶」で「仰天した」としたうえで「こんな確信犯的嘘つきと一緒にされたら困る」「相手を批判するためには嘘のデータを並べてもよいことにはならない」と批判している |
| 研究費を得ている科学者による研究のバイアスを強調し |
| また、研究費の獲得を官僚の汚職になぞらえ、「学問のワイロ」と呼ぶこともあり |
| しかし武田自身が難燃剤の研究で国から研究費を得ており |
| また、武田も獲得している科研費のような研究費は用途が厳格に規定されており、1円単位での収支報告が義務付けられているので、自身の収入にすることはできない(詳細は科学研究費補助金を参照)。 |
| 増田耕一(慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員)は環境問題全般の懐疑論についての文脈の中で、利害関係からある議論を広める人がいることは多いが常にそうだというわけではないし、仮に得をするから広めているとしても、必ずしもその議論が嘘だということにはならないと述べている |