| チエミのテネシーワルツの大ヒットは「日本語と英語のチャンポン」というスタイルを用いたこともあり、それまで都市部中心でのブームであった「ジャズ」(当時は洋楽を総称してこう呼んだ)を全国区にするにあたり、牽引役を果たした。 |
| 後のペギー葉山、そしてカントリーの小坂一也など、そしてロカビリーブームといった、日本における「カバー歌手」のメジャー化のさきがけを果たした。 |
| 本来、チエミの興行の権利を握っていたのは吉本興業であった。 |
| 若き日の永島達司はチエミの興行を打った会場で「山口組の三代目と吉本の林さんが怖そうな人と来てるから逃げてください」と忠告された。 |
| 挨拶に行くと二人は「ウチのところでもやってくれ」と切り出してきた。 |
| 後に『夢のワルツ』(講談社)の中で永島は、大物二人は文句を言おうと思ってきたが会場の客層を見て(キョードー東京の連中を)使った方が便利だと考えたんだろう、と笑っている。 |
| メジャーデビューの翌年、1953年(昭和28年)の春には、招かれてアメリカのキャピトル・レコードで「ゴメンナサイ/プリティ・アイド・ベイビー」を録音、ヒットチャートにランキングされるという日本人初の快挙を達成。 |
| ロサンゼルスなどでステージにも立ち絶賛を浴びる。 |
| 帰路のハワイでも公演を成功させ、そこで合流したジャズ・ボーカル・グループ「デルタ・リズム・ボーイズ」と共に凱旋帰朝、ジョイント・コンサートを各地で開き、ジャズ・ボーカリスト・ナンバー1の地位を獲得する。 |
| なお、チエミが渡米している間にライバルとなる雪村いづみがデビュー。 |
| 帰国第一声は「雪村いづみって、どんな子?」だったという。 |
| しかもデビュー曲が自らカバーしようと準備していたテレサ・ブリュワー「想い出のワルツ」(原題:TillIWaltzAgainwithYou)だったので心中おだやかではなかったが、スカートの丈が合わずシミーズが少し出た背の高い痩せぎすな少女・いずみが空港で出迎え、その屈託の無い可憐な姿にチエミの心は和み、やがて二人は終生の親友となった。 |
| 美空ひばり・雪村いづみとともに「三人娘」と呼ばれ、一世を風靡。 |
| 『ジャンケン娘』(1955年)などの一連の映画で共演。 |
| その頃からチエミは、日劇をホームグラウンドとして活躍、日劇の歴史で「歌手の名前がそのロングラン公演のタイトル」となったのは、1955年(昭和30年)4月26日-5月6日『チエミ海を渡る』がさきがけだった(江利チエミ日劇初出場はメジャーデビュー前の1951年(昭和26年)。 |
| 1952年から1967年までリサイタルを開いた。 |
| またTBS『チエミ大いに歌う』は、ワンマンショウスタイルのさきがけともなった歌番組(1965年4月-11月)であった。 |
| 映画の『サザエさん』シリーズ(1956年から全10作が作られた)もヒット。 |
| のちにテレビドラマ(1965年-1967年)、舞台化もされ生涯の当たり役となる。 |
| 東映作品『ちいさこべ』では京都市民映画祭/最優秀助演女優賞を獲得、『ふんどし医者』など、自身主演の音楽娯楽映画(『唄祭りロマンス道中』(渥美清・共演)、『ジャズ娘誕生』(石原裕次郎・共演)、『チエミの婦人靴』など)以外にも数多く助演した。 |
| 1959年(昭和34年)、ゲスト出演した東映映画での共演が縁で高倉健と結婚、家庭に入るものの、1960年(昭和35年)に本格的に復帰。 |
| 高倉とは義姉(異父姉)による横領事件(後述)などがあって1971年(昭和46年)にチエミ側から離婚を申し入れることに。 |
| チエミは数年かけて数億に及んだ借財と抵当にとられた実家などを取り戻す。 |
| 1963年(昭和38年)には日本におけるブロードウェイ・ミュージカル初演の東京宝塚劇場での『マイ・フェア・レディ』に主演しテアトロン賞、毎日演劇賞、ゴールデン・アロー賞(第1回大賞)などを受賞、またこれに遡る1961年(昭和36年)には「歌手としてはじめて」の舞台の1か月座長公演も梅田コマ『チエミのスター誕生』で果たし、舞台女優としても活躍した(翌1962年の新宿コマ『スター誕生』公演で芸術祭奨励賞受賞)。 |
| 代表作には、『アニーよ銃をとれ』、『お染久松』(芸術祭奨励賞)、『芸者春駒』、『白狐の恋』(芸術祭優秀賞)、『春香伝』、『花木蘭』などがある。 |
| 新宿コマの座長公演は1962年(昭和37年)の『スター誕生』から1978年(昭和53年)の『サザエさん』まで続いた。 |
| 松竹系の舞台でも、1953年京都南座で音楽劇『二十四の瞳』に主演。 |
| 助演した舞台にも東宝歌舞伎『沓掛時次郎』(長谷川一夫と共演)、コマ歌舞伎『春夏秋冬』(現:坂田藤十郎(4代目)、当時の中村扇雀と共演)があり、女優としても幅広い活躍を続けた。 |
| テレビドラマも『チエミの瓦版太平記』、『咲子さんちょっと』、『あの妓ちゃん』、『黄色いトマト』、『ねぎぼうずの唄』、『はじめまして』、『赤帽かあちゃん』など多数の作品に主演。 |
| その活動の範囲は、歌手・女優に留まらず、NHK『連想ゲーム』の紅組キャプテン、TBS『みんなで歌おう73-75』のメインパーソナリティなど司会業でも活躍し、テレビ朝日『象印クイズヒントでピント』では女性軍2代目キャプテンを務めていた。 |